エイリアン・ガイド

アルコーナ Arcona

原住地:
コーナ
身長:
1.7〜2.0メートル
主な個体:
ウヌット・ポル、ヘム・ダズン

Arcona

ヒューマノイドのアルコーナは3角形の頭に輝く大きな目をつけた、ウロコのない爬虫類型種族である。皮膚の色は赤褐色から灰色を経て漆黒まで様々で、雑木のような体つきをしている。また、両目の中央には鼻の代わりに球根状のダイアモンド型をした熱感覚器官がある。

アルコーナは青色巨星テケ・ローを巡る灼熱の高密度惑星コーナの原住種族である。コーナには地軸の傾きが無く、完全な円形軌道を描いているため、季節というものが存在しない。コーナの大気は極めて効率よく熱を分配し、定期的なサイクルで赤道に位置する山脈からの強風が熱を寒い極地へと運び、また極地からの冷たい風が赤道部へと注がれる。こうして惑星全体が均一な温度に保たれているのだ。

コーナの大気中には窒素と水素が豊富に含まれているが、大部分の酸素は岩盤の中に閉じ込められている。そのため、空気中には大量のアンモニア蒸気が含まれており、遊離水はほとんどない。少数の原生植物は水の粗悪な代用品としてアンモニアを摂取しているが、より高等な植物は分泌した酸を岩盤に垂らすことによって埋蔵酸素を取り出し、根の中にある胃で吸収している。同時にこれらの植物は葉で大気中のアンモニア蒸気を収集し、茎を通じて胃の中に送り込み、アンモニア分子を水素と窒素に分解している。胃の中では水素と酸素を合成し、水を生成する。一方で、余った窒素は花冠に蓄えられ、追加のアンモニア蒸気を二酸化炭素と合成し、命の素となるアミノ酸を生成している。言うまでも無く、植物の世界でもこのような複雑な化学的プロセスの存在は稀である。

コーナに住む動物たちは食べる物すべてにアンモニアが含まれているため、必然的に高いアンモニア許容量を維持しており、多くの動物たちは生存に必要となる酵素を作るためにアンモニアを利用している。これはアルコーナにも当てはまり、彼らは老廃物の除去と体温の分散を行う補助循環器系でアンモニアを使用し、栄養素を薄い皮膚に送り込んでいるのだ。

しかし、アルコーナは主要な循環器系に水分も必要としている。コーナに存在する唯一信頼できる遊離水の源はアンモニアを水に変換する植物の胃であり、彼らは水を得るためにこれらの地下貯水庫を収集しなければならない。こうした胃を取り出すため、アルコーナは土を掘るのに適した強力な鉤爪を発達させている。

アルコーナの持つ他の興味深い特徴は、目の間にある球根上の器官である。これは鼻に似ているが、嗅覚器官とは何の関係もない(彼らは舌を弾くことによって匂いを感じることができる。舌で分子サンプルを捕獲し、口の上に開いた長い鼻孔に入れて分析を行うのだ)。実はこの膨らみは熱感覚器官であり、他の生物の接近を探知したり、居場所を探るのに利用され、アルコーナの弱い視力を補っている。この特殊能力があるため、アルコーナの目は形を特定することができない。コーナの大地は彼らにとって色とりどりの霞んだ世界でしかなく、彼らは熱と匂いを感じることによって景色を鮮明な姿に変換しなければならないのだ。

アルコーナは個人よりも集団としての権利を強調するが、他の多くの共同社会とは異なり、多くの許容的変化を有している。これらの中で最も重要な点は、彼らが非常に強い親としての本能を持っていることである。アルコーナは氏族の他の子供の生存に比べ、自分たち自身の子供の生存に遥かに大きな重要性を置いている(だがこれにも柔軟性があり、親が死んでしまった子供を他のアルコーナが養子として引き取ることは一般的である)。

アルコーナの社会は家族の巣が集まって構成された自由な共同社会である。コーナは経験の浅い子供たちにとっては危険な環境であり、そのため彼らの社会は子供たちに対する安全確保の必要性から生じたものだった。アルコーナの親は子供たちがコーナのジャングルでの生き方を学ぶまで注意深く面倒を見ている。そうしなければ、孵化したばかりの子供が毒を飲んでしまったり、いばらの罠に掛かったり、食虫植物に消化されてしまったりする可能性があるのだ。

子育てには長期間にわたる責任が伴うため、アルコーナは容易に夫婦関係を築かない。しかし他の多くの種族と異なり、アルコーナの男性はこの選択の過程をあまり気にしていないのだ。

一般に、アルコーナの集落のメンバーは「巨大な巣」として知られる開拓地から20キロメートル以内の場所に巣を作り、すべての大人が20日毎に顔を合わせている。こうした会合は一般投票によって選ばれ、常に改選され得る「巣の指導者」によって開催され、すべての共同ビジネスがこの会合の間に行われている。

アルコーナは限られたテクノロジー(金属加工および水を含んだ植物の栽培)しか開発していないが、この惑星が発見されて以来、何年にもわたって訪れている貿易商たちによってもたらされたテクノロジーを存分に活用している。

コーナは高密度惑星であることからも分かるように、豊富な重金属資源を含有しており、そのため多くの企業がこの惑星で採鉱事業を展開している。本来、こうした採鉱権は大量の水と引き換えに獲得されたものであるが、探鉱者たちはすぐに少量の塩化ナトリウム(食塩)がアルコーナの生理化学に奇妙な影響を与えることに気が付いた。食塩は彼らの視神経に影響を及ぼし、幻覚や色覚異常を引き起こす。さらに副作用も伴い、アルコーナがアンモニアを処理する膵臓組織を破壊してしまうため、彼らはアンモニアから水分保護酵素を生成できなくなってしまうのだ。重度の食塩中毒に陥ったアルコーナは目の輝きが緑色から金色に変化するため、容易に識別することができる。

アルコーナたちは団結し、食塩の輸入と販売を禁止する厳格な惑星法を制定した。しかし、少量の食塩は大量の水より遥かに安いため、外界から入ってくる食塩の流れを止めることはできなかった。

アルコーナは銀河系に急速に進出し、原始的惑星と近代的惑星の両方に植民地を設立していった。さらに、個々の家族グループは多くの惑星でも見られ、事実、賑わった宇宙港で一度もアルコーナと遭遇しないなどということは滅多にない。また、彼らは銀河社会のあらゆる側面に参加しているが、体内に有害な老廃物が大量に蓄積されることを防ぐため、アンモニアを摂取し続けなければならない。

アンクス Anx

原住地:
グラヴレックス・メド
身長:
4.0メートル
主な個体:
ホロックス・ライダー、ゾー・ホウラー、グラクソル・ケルヴィーン

Anx

アンクスは共和国で多くの役割を担っている温厚な大型ヒューマノイドである。彼らは物静かで社交的な種族であり、自分たちが所属する大きな組織に対して熱狂的な忠誠心を示すことで知られている。そのため、大きな家族や複雑な氏族構造の中で暮らすことを好み、孤独を極度に恐れる傾向がある。

共和国がアンクスの存在を認識するよりも数千年前に、彼らは大型キャノンで宇宙船を軌道にまで打ち上げることによって星間移動を行う技術を確立していた。この手法でアンクスは故郷グラヴレックス・メドから隣接星系へと拡散していったのだ。しかし不運にも、彼らは宇宙へ進出した直後に放浪の野蛮な戦闘種族シュスゴーントと遭遇してしまった。シュスゴーントは短期間でアンクスの故郷を征服しようとしたが、グラヴレックス・メドの特殊な重力環境によって動きを封じられ、戦いはすぐに終わったのだった。そのとき以来、アンクスは宇宙探索や他種族との取引きにより大きな注意を払うようになったのである。

アンクスは神秘的とも言える解剖学の知識を有しており、特に神経系、筋肉系、骨格構造(未だ遭遇したことのない種族の物も含む)に関しての造詣が深い。彼らはこの知識によって生身の戦士を圧倒することができ、怒り狂ったウーキーでさえ、神経中枢への正確な一撃によって動きを止めることができるのだ。

重力の弱い惑星で進化したアンクスは平均して4メートルほどの高さを持つ長身の種族である。もしも彼らが肩とその長い隆起した頭部を前方にかがめて歩いてさえいなければ、さらに大きく見えるだろう。また、皮膚と首筋の下に所々生えたヒレは、感情に応じて色が変化する。そのため、他のエイリアンと行動するときは、頭部を隠す頭巾上の外套を着ていることが多い。ゆっくりとした前かがみの歩き方や、小さな寄り目、皺だらけの顔、すぼまった口は、あたかも老人の真似をしているかのようにも見える。また、アンクスは太い尻尾を持っており、これを用いて走るときのバランスを維持している。

アンクスの隆起した頭部は、内部に大きな空洞を含んでいる。彼らはこの空洞内で音を共鳴させることによって低周波音声を発生させ、数キロメートル離れた他のアンクスと会話を行うことができるのだ。ただし、グラヴレックス・メドを離れたアンクスにはベイシックを話す者も多い。

アンザーティ Anzati

原住地:
アンザート
身長:
1.7メートル
主な個体:
ダニク・ジェリコ

Anzati

アンザーティは銀河系で最も恐ろしく、かつ最も神秘的な種族である。外見は人間とほとんど同じだが、彼らは両頬にある嚢の中に器用な2本の触手を巻き込むようにして隠している。アンザーティはマインド・テレパシーによって獲物を魅了する食人鬼であり、これらの触手を伸ばして相手の鼻孔に突き刺し、犠牲者の脳みそを吸い取るのだ。

数多くの報告によると、アンザーティは孤独を好んで銀河系全域をさまよっており、彼らが故郷のアンザートに戻るのは配偶者を探して繁殖するときだけだという。しかも、彼らは寿命が何世紀にもおよぶため、繁殖活動すら滅多に行われないのだ。アンザーティの若者はおよそ100歳で成熟期を迎え、彼らが「スープ」と呼ぶ生命エネルギーを求めて故郷を後にする。

アンザーティは放浪者であるため、その存在自体が神話として語られることも多く、事実、彼らの故郷の正確な場所を発見することさえ困難である。アンザートだと言われていた惑星を訪れた科学者がいたが、彼は何も痕跡を残さず、ただ消えてしまった。したがって、この種族に関する情報はこれ以上何も残されてない。

アンバラン Umbaran

原住地:
アンバラ
身長:
1.7〜2.0メートル
主な個体:
スライ・ムーア

Umbaran

アンバランは落ち窪んだ目を持ち、心に残るような青白い肌をした細身のヒューマノイドである。彼らの起源は俗にゴースト星雲と呼ばれているアウター・リムの暗黒地帯にあり、出身惑星アンバラはさらにその奥深くに存在する。彼らの存在は旧共和国の発足当時から知られているが、大勢のアンバランと遭遇することは滅多にない。旧共和国の時代の最中、アンバランは亡霊のように元老院の回廊をさまよい、当て所もなく権力者の部屋を行き来していた。彼らの他者を操る巧みな能力は絶えず尊敬の対象とされ、ときとして恐れられていたのである。

やがて帝国の時代になると、アンバランはその影響力を駆使して権力のある地位を手に入れた。パルパティーン元老院議長はスライ・ムーアという名のアンバランを補佐役として選んでおり、彼女に最も深い闇に包まれた秘密の職務を任せていたのである。皇帝となったパルパティーンは、ジェダイの粛清を逃れたはぐれジェダイの追跡にもアンバランのスパイを使っていた。そして銀河内乱が始まると、アンバランたちは帝国政府や軍の内部で活動している反乱軍支持者を暴露することで皇帝の役に立つようになる。当然、帝国内部にもアンバランの目的に懐疑的な者は多く存在し、彼らによる帝国内の活動への入念な調査は、帝国に忠実な将校たちを含むあらゆる人々の間で不況を買うのだった。

エンドアの戦いにおける皇帝の死はアンバランにとってまさに不測の事態だった。彼らは帝国の残党と新共和国の双方からの報復を恐れるようになり、文化的な星系から一斉に姿を消すと、ゴースト星雲の暗礁地帯に撤収したのである。彼らが他種族には見えない情報網を使って銀河系の情勢を監視し続けていると信じる者も少なくないが、実際に新共和国の時代になるとアンバランと遭遇したという情報も著しく減少している。

また、アンバランは全員がフォース使いであるとも囁かれており、彼らが相手の心を読んで操ることができると考えている者も存在する。だが、実際には彼らを単なる知的で雄弁な日和見主義者だと見なしている意見が多い。

アンバランは秘密主義で作為的な謎の多い種族であり、常に権力と影響力を渇望している。彼らは自らの意図をぼかして相手を誤った方向へと誘導する術に長けており、自分たちの真意を滅多に明かさない。また、彼らは社会情勢を皮肉るブラック・ジョーク的なユーモアのセンスの持ち主でもある。

アンバランはよく重要な機関、大胆な密輸業者、悪名高き海賊、有力な犯罪王、不道徳な冒険家グループなどの下で働いていることが多い。こうしたアンバランたちの目的は、自身の影響力の拡大にあるのだ。一方で、ジェダイの道を歩んだアンバランは未だかつて例がないが、フォースを巧みに操るアンバランはいつの時代にも確実に存在している。

イーウォック Ewok

原住地:
エンドア
身長:
1.0メートル
主な個体:
ウィケット・W・ウォリック、チャーパ酋長、ログレイ

Ewok

銀河内乱における最終決戦地となった森林衛星エンドアは、ワイルド・スペースと呼ばれる銀河系領域に位置する同名のガス状巨星を周回しており、その森林の中にはイーウォックと呼ばれる背の低い毛皮に覆われた知的種族が原住している。帝国軍のプロパガンダはエンドアの戦い後に彼らを一掃すべきだと考えていたが、イーウォックたちは現在でも巨大な植物と無数の生態系と共に瑞々しい環境の中で木製の家に暮らしている。この衛星は自転軸の傾斜が低く、母星との距離も近いため、極めて温暖な気候を形成しているのだ。そのため、木々の高さは300メートルを超えるものもあり、この衛星の風景の大部分は森林で満たされている。これらの森林はイーウォックの文化と宗教の中心地となったのだった。

イーウォックは狭い視界を補って余りあるほどの鋭い嗅覚を持っている。彼らは卓越したハンターだが雑食性であり、動物を狩るだけでなく、周囲の植物からも食料を調達している。彼らは食糧を探したり、狩りを行うときにも極めて警戒心が強く、ふとしたことですぐに驚かされてしまう。森林には多くの肉食獣が棲息しており、イーウォックは常にこうした天敵からの攻撃に備えていなければならないのだ。実際、彼らには危険が迫っていることを察知する第6感が備わっているのではないかと指摘する研究者もいる。これはちょうどジェダイのフォースの才能に似ているが、この神秘的な力を巧みに使えるイーウォックは極僅かしか確認されていない。

イーウォックは好奇心旺盛で善良な種族であり、自分たちの集落で家族や友人たちと共に楽しい毎日を過ごしている。彼らの日常生活の一部は音楽と踊りで構成されており、事実、他の村との交信は大音響のリズミカルな太鼓の音を通じて行われている。古代の木々の間にイーウォックたちの知らせが響き渡ると、周囲の環境に異質の生命のオーラが吹き込まれるのだ。

イーウォックの文化は豊かだが原始的であり、彼らが身に付けている物も動物の骨や毛皮で作られたフード類だけである。これらは装飾だけでなく、村における地位を表す役目も持っている。しかし、彼らは素早く物事を学び、テクノロジーと接触したときも最初は一旦神経質になるが、その後はよく適応するようになる。もっとも宇宙へ進出した者はまだほとんどおらず、いたとしても宇宙パイロットに連れられて行った者だけである。彼らには木製の道具や初歩的な武器以外に独自のテクノロジーは存在していない。

Ewok

イーウォックの言語はとても表現力に富んでおり、他の種族もそれを学び、話すことができるようになる。実際に彼らの言語的ニュアンスは他の知的種族の言語と似ているため、イーウォックも他のいくつかの言語による会話を学ぶことが可能である。そして、イーウォックはエンドアの戦い以来ますます多くの外界人と接触するようになったが、彼らの多くはイーウォック・ベイシックと呼ばれる亜流言語で訪問者たちに話し掛けている。

イーウォックたちは森林地帯の15から30メートル上空にある、土、藁、樹木などで作られた村の中で部族単位に暮らしている。村の中では入り組んだ遊歩道がそれぞれの住居や広場を連絡しており、階段や縄梯子、渡し蔓などによってイーウォックたちは森林の下から木の中にある家まで容易に移動することができる。また、彼らは体が小さいため巨大なゴラックスや恐ろしいデュロックなどに頻繁に捕食されており、そのため新たな領域へ出向いたり、守りなしで村を離れたりすることをひどく恐れている。

イーウォックは勇猛な戦士であり、勇敢で用心深く、部族に対して忠実である。これは家庭と家族、そして彼らが「守護神」として崇めている木々の重要性を説いた信仰への証にもなっている。彼らは木々が知性的かつ長寿命な生物であり、自分たちを見守ってくれていると信じている。そして、イーウォックたちもそのお返しとして木々を守らなければならないのだ。これは彼らが帝国軍と戦う反乱軍を支援した主な理由の1つにもなっている。なぜなら、帝国軍は彼らを取り巻く環境のあらゆる面に対して、脅威的な存在だったのである。

しかし、イーウォックたちの間では戦争も滅多に起こらない。彼らは部族単位で生活し、自分たちの部族に対しては極めて献身的だが、外界者がいれば暖かく迎え入れ、可能な限り名誉と敬意を持って接している。訪問者が自分たちの部族に親しみやすく忠実であることを示せば、イーウォックたちは他人であっても部族の一員として受け入れてくれるのだ。

イーウォックの社会では信仰が重要な役割を果たしており、村では呪い師が酋長と共に村の治世を担っている。呪い師は自然の予兆を解釈し、酋長の決定を補佐しているのだ。彼らの信念の体系はフォースのような生きるエネルギーへの関わりであり、これが木々に活力を与え、同じようにイーウォックにもエネルギーを与え、彼らを導いているのだとされている。

イクトーチィ Iktotchi

原住地:
イクトーチ
身長:
1.8メートル
主な個体:
セイシー・ティン

Iktotchi

拡張領域にある辺境のイクトーチ星系は、生命を維持できる惑星体を1つだけ保持している。それはこの星系の最外郭に位置する生命の存在しない巨大な岩の惑星イクトーチヨンを巡る衛星イクトーチである。イクトーチィはこの不毛な星系で唯一の知的種族として栄えたが、彼らは文明が興った初期の時代から星々を満たす多数の銀河文明が存在していることに気づいており、いつの日か他の文明社会を訪れてみたいと考えていた。

イクトーチィは優れたパイロットとして銀河系全域にその名を馳せており、同様に機械工やエンジニアとしても高い評判を得ている。しかし、彼らを有名な種族にしている理由はそれだけではない。約3,500年前に、旧共和国の偵察隊が初めて彼らの文明を発見したとき、彼らはイクトーチの人々全員が1週間前から自分たちの到着を予期して待ち構えていたことに驚かされた。事実、偵察隊の船がこの衛星の周回軌道に初めて進入したときも、隊員たちは共和国の最重要機密である非公表の入植地を発見したのだと考えたほどである。この集落は宇宙からでも肉眼で見分けられ、衛星で最大の大陸にある高原の方へ湾曲していた。イクトーチィの指導者たちもこの場所に集合しており、宇宙の偉大なる文明との接触に臨んだのである。

旧共和国の生物学者たちは、イクトーチィが夢や幻想を通じて未来を予見する限定的な予知能力を持っていることに即座に気づいた。この生まれながらの能力は特にジェダイの関心を引き、イクトーチヨンにも初の外界人用入植地となるジェダイ聖堂が建設されたのだった。さらにジェダイたちは、ジェダイとしての訓練を積んだイクトーチィが特に精神力に優れていることを発見し、同様に彼らの予知能力もフォースの鍛錬によって実際に強化されていったのである。

イクトーチィの存在が周囲の銀河社会に浸透していくにつれ、彼らが宇宙船の操縦を含む航空技術に優れた適性を持つという事実も次第に明らかにされていった。しかし、彼らは長年夢見た壮大な文化的連鎖のなかに快く入ろうとはしなかった。イクトーチィは多くの人々から不審に思われていることに気づいていたのだ。彼らはテレパシー能力者から危険な破滅をもたらす者まで、その正体に関する様々な噂を立てられ、さらには邪悪を予見し、それを実現させるために暗躍しているとまで囁かれていたのである。イクトーチィたちは即座に超感覚的な能力を否定しはじめた。彼らの予知能力はイクトーチヨンから離れた場所では極めて限定的なものでしかないため、言い分の多くは事実だった。やがて接触初期における奇妙な状況も時間と共に忘れられていき、彼らも徐々に他の人々の間に受け入れられるようになっていったのである。イクトーチィの宇宙船操縦能力は海賊から星系防衛軍に至るまであらゆる人々に知られるようになり、イクトーチィだと分かれば未熟なパイロットや技術者であっても、最高のクレジットを払って雇おうとする者が後を絶たなかった。

そしてパルパティーン皇帝が権力の座につくと、イクトーチィは銀河系がそれをクローン大戦へと導く暗黒の道へ乗り出すことを阻止するため、必死に行動した。彼らは夢の中で大虐殺を目の当たりにしていたのである。イクトーチィのジェダイは皇帝の計画に対して脅威を訴え、やがて行われたジェダイの粛清における最初の標的とされたのだった。

皇帝による新秩序が施行された直後には、辺境のアウター・リムにある多くの惑星から大量のイクトーチィが姿を消し、故郷へと戻っていった。彼らは軌道上にコロニーを建造し、人口の大幅な増加に対応したのである。そしてイクトーチヨンに近づいたことで彼らの予知能力は本来の力を取り戻し、皇帝の支配下での生活を続けていれば恐ろしい運命が待ち構えているだろうと警告したのだった。皇帝はイクトーチィに故郷への撤退と星系の封鎖を許可し、それに満足していた。彼はわざわざ惑星総督を指名するようなこともせず、イクトーチィたちも隔離されていることが生き残るための唯一の手段であることを理解していたのだ。それでも中には封鎖を突破し、反乱同盟軍に加わる者もいたのだった。

やがて帝国が崩壊すると、イクトーチィたちは新共和国の設立にも熱心に力を貸すようになる。不思議なことに、ユージャン・ヴォングの侵略軍がイクトーチィを攻撃する際には、銀河系の他の種族と同じように大規模な奇襲攻撃が有効だった。ジェダイのフォースがユージャン・ヴォングを捉えられないのと同じように、イクトーチィの予知能力も彼らには通じなかったのである。

イクトーチィは鋭敏な感覚を持つ種族であり、平静を装った表情の下に深い感情を隠している。彼らは多様性を尊重し、他の文化に素早く適応するが、他の種族と容易に友好関係を築かないのだ。

イクトーチィは予知能力のない種族に対して多少苛立つことがある。文化的に彼らは他者を驚かそうとしていると思われており、その特殊能力も呪いのようなものとして見られることがある。しかし、彼らは銀河社会から罵られることも、その能力を邪な目的に乱用されることも望んでいないのである。

イクトーチィは故郷に吹き荒れる激しい風から身を守るための丈夫で毛のない皮膚に覆われている。また、男性も女性も頭から大きく湾曲した角を生やしているが、男性の角の方がやや大きい。しかし、手が非常に大きく、指も太いため、概して不器用である。

銀河社会に進出したイクトーチィには社会的地位の高い者も多く存在し、他にも偵察員や兵士、機械工、宇宙船のエース・パイロットなどが多数確認されている。帝国の隆起以前にはイクトーチィのジェダイもありふれた存在だったが、ジェダイの粛清を生き延びた者は僅かしかいないだろうと考えられている。

イシ・ティブ Ishi Tib

原住地:
ティブリン
身長:
1.7〜1.9メートル
主な個体:
シャーサ・ティエル、ハーク・セフ

Ishi Tib

イシ・ティブはザラザラした硬い皮膚を持つ水陸両棲のヒューマノイドである。彼らの顔はそれぞれの棘が45度に傾く4股の星に似ており、上方の2本の棘の先端には黄色い瞼のない目が、下方の2本の側面には鉤のように曲がったクチバシが付いている。また、クチバシの上、すなわち顔の中心には2つの鼻孔があり、これらは陸上でも水中でも同様に機能する。そのため、イシ・ティブは遠く離れたところにいる獲物(あるいは外敵)の臭いを嗅ぎ分けることができるが、そのクチバシもまた強力な武器となり、ウロコに覆われた硬い皮膚をかみ砕いたり、尻尾や指のような器官に噛み付いたりすることができる。また、彼らは太く短い筋肉質の腕をしており、それぞれの手には互いに同じ形をした2本の指が生えている。さらに、腕と同様にその足も太く筋肉質であり、平たくなった先端は漠然としたヒレに似ている。

イシ・ティブの生活に水は必要不可欠な存在である。彼らの皮膚と肺(内部で空気と水を処理する鰓の働きをする)は湿気と海水から得られる塩分の不足に敏感であり、およそ30標準時間おきに故郷の海洋に似た塩分の多い溶液に身を沈めなければならない。もしそれができないと、彼らの皮膚と肺は乾燥し、ついにはひび割れ、(内部的かつ外部的な)出血多量により死んでしまうのである。

イシ・ティブは忍耐強く思慮深い種族であり、決して性急な行動をとらない。彼らは大掛かりな洗練された計画を黙殺することのできる几帳面な立案者であって、このことは彼らを優秀な策略家、経営者、そして会計検査官に仕立て上げている。そして一度行動方針が決まれば、彼らは決してそれが完結するまで休まないのだ。

戦闘においてもイシ・ティブは強烈な存在といえる。彼らは追いつめられたり攻撃されたりすると手に負えないほど熱狂的になり、相手が死ぬまで、あるいは自分が死ぬまで攻撃し続け、(可能であれば)その死体を食べてしまうのだ。

イシ・ティブは全体を浅い海洋に覆われた中型の惑星ティブリンの出身である。ティブリンの地軸はその公転軌道に対して垂直であり、その軌道もほぼ完全な円を描いている。そのため、この惑星には季節の変化がなく、広大な塩辛い海洋が惑星規模の熱ポンプとなって太陽熱を赤道地域から極地に送り込み、ティブリンの表面の大半を覆う熱帯気候を作り出している。この惑星には一切大陸がないが、その水に満ちた表面には数多くの珊瑚礁や砂洲が点在している。それらの多くは水面から突き出しており、満潮になるとそこに棲む生物たちは空気中に適応する。

イシ・ティブはこうした砂洲付近の浅瀬で進化した種族である。彼らの祖先は発達したヒレと先細った尾ヒレを持つ大きな骨ばった魚だった。彼らは肉食動物から逃れるため、砂洲の露出した部分に進出していったのだ。砂洲には捕食性の脊椎動物がいなかったためこの生存計画はうまく成功し、イシ・ティブの祖先は長い時間海洋の外で過ごすことができるようになった。彼らのヒレと尾ヒレはより強靭なものに変化し、正真正銘の手足へと進化した。また、湿気を維持するため、太陽による蒸発を防ぐ表皮組織の層も発達させている。

イシ・ティブは身体だけでなく、その精神も発達させた。彼らは効果的に肉食獣から逃れたが、新たな環境にも他の試練が待っていた。イシ・ティブはこうした問題を解決する手段を学びつつ、合理的思考、道具を使う能力、そして地域共同社会を発達させたのである。

イシ・ティブの文化は本質的には共同社会である。そこでは集団の需要は個人の需要の上にあると考えられ、こうした「群れ」は数百人から10,000人以上で構成されている。また、彼らには配偶者という概念がなく、生殖活動の頻度はその群れの人々の要求や生活する地域の資源によって決定される。群れが生殖活動を必要と認めると、受精卵が砂洲の孵化場に置かれるが、その多くは記録に残されたイシ・ティブの歴史の初期から使われている場所である。子供たちが孵化した瞬間から、群れには全体で彼らを育てる責任が発生し、親と子供といった概念は一切存在しない。

イシ・ティブの群れは1標準年の任期で選出された代表者による生態学的法律によって統治される。いかなる個人あるいは集団にも権力を集中させないため、代表者は必ず1期で交代しなければならない。

イシ・ティブの科学技術は外見とは裏腹に複雑で工業的である。故郷では、彼らは珊瑚礁の基盤に慎重に築かれた都市で生活している。彼らの生活空間は陸上であるが、恐ろしい肉食獣は既に飼い慣らされているか、あるいは排除されており、もはや海を恐れる理由は何もない。現在、彼らは広大な海底の畑で食用の海草を栽培し、柵の中で魚の群れや甲殻類、貝類を養殖している。イシ・ティブはこうした水生環境で調和を得ようと努力しているのだ。彼らは珊瑚の成長を妨げるほど多くの都市は建設しておらず、海を汚染するものは都市全体を汚染することになるため、環境を汚す技術は一切使用していない。科学的発見は環境への影響を根気よく試験した上で、その使用を合法化している。

イシ・ティブは故郷を離れることにほとんど関心を抱いていないが、彼らはその組織的能力によって銀河系の各企業や工業ギルドから多くの求人を集めている。彼らは一度雇われると経営側のポストに就くことが多く、また生態学的に神経過敏な作業が集中した企業を選ぶ傾向にある。結果的に銀河に進出したイシ・ティブの多くは非常に裕福であり、多額の給与やその他の利権によって故郷から誘惑されているのである。

イソーリアン Ithorian

原住地:
イソア
身長:
2.3メートル以上
主な個体:
ロロン・コロブ、モモー・ネイドン、マー・ダノッド

Ithorian

イソーリアンはプロアリオッド小星団に属するオッテガ星系出身のエイリアン種族である。彼らは前方に大きく屈曲し、先端がT字型になっている長い首をもっており、その特異な形態によって他種族からは「ハンマーヘッド」とも呼ばれている。

イソーリアンは銀河標準語であるベイシックを話すことができるが、彼らは曲った長い首の両側に2つの口を持っているため、固有の歪みが生じてしまう。これは一種のステレオ効果を生じさせ、他の種族が彼らとの会話になじめない要因の1つにもなっている。一方で、イソーリアン本来の言語はこのステレオ効果を完全に活かしたものであり、非常に興味深い音声を作り出しているが、他の種族が話すことは難しい。

オッテガ星系の第4惑星イソアは緑の豊富な熱帯惑星であり、実に多種多様な動植物が生息している。その大部分はイソーリアンによって飼い慣らされているが、この惑星には未だに探求されていない広大な野生の領域が残っている。イソアでは2つの大陸と無数の島々が開発されずに本来のままの姿を維持しており、開発された大陸でさえ旅行者には野生のジャングルに思えてしまう。この惑星の気候は人間や多くのヒューマノイドにとって快適であるが、なかには熱さや湿気を不快に思う者もいるかもしれない。しかし、イソアはテクノロジーと自然が美しく共存した楽園であり、環境を第一に考えるイソーリアンによって管理された平和な社会を支えているのだ。

イソーリアンたちは栽培船と呼ばれる巨大な浮遊船の中で生活している。これらは文明のある3つの大陸間を往来する移動都市であり、まさにテクノロジーの驚異である。円盤型で多階層構造をした栽培船はリパルサーリフト・エンジンによって地表の上を飛行しており、イソーリアンの居住地区としてだけでなく、商業、工業、文化の中心地的役割も担っている。何千年もかけて開発された栽培船はイソーリアンにテクノロジー社会を提供しつつも、イソアの自然環境を保護するという問題に論理的かつ美しい解答を与えているのだ。草食人種であるイソーリアンは地上に足を下ろすことなく植物を採集することができるが、環境保護の観点から必要以上に採集を行うことは禁じられており、事実、1隻の栽培船につき2種類までの植物しか採集してはいけないことになっている。

この生活様式はイソーリアンたちをごく自然に宇宙へと進出させていった。イソアの栽培船の中には希にハイパードライブを搭載したものもあり、宇宙へ飛び立って銀河の端から端へと珍しい品物を運ぶことができる。これらの宇宙栽培船はイソーリアンの生活に適した設計になっており、内部には暴風雨や湿った大気、野生生物、広大な緑の菜園など、イソアの自然環境が人工的に再現されている。

イソーリアンは風変わりな容姿と文化を持ってはいるが、平和を愛する温厚な種族である。彼らはすべての生態系に大きな尊敬の意を示しており、必要なとき以外は栽培船を着陸させないなど、可能な限り自然環境を乱さないように努めている。しかしその一方で、イソーリアンは商人として宇宙へ進出するなど、好奇心旺盛で社交的な種族でもある。実際に彼らは銀河系のどこへ行っても歓迎され、特にアウター・リムにある多くの星系ではイソアの栽培船が訪れたときに式典が催されるほどである。

イソーリアンは平和的共存を信条としているが、守るべきものは守らなければならないとも考えており、帝国軍の戦艦には及ばないまでも、宇宙栽培船には偏向シールドと密輸業者や海賊を撃退するための武器が備わっている。さらに、高度な防衛システムはイソアの誇りにもなっており、これによって地上を飛行する栽培船は完全な無防備状態を維持できるのだ。

栽培船を動かすには多くの技能が必要とされるが、大抵のイソーリアンは農業、芸術、外交、商業、そして宇宙事業などを選択して学ぶことができるようになっている。しかし、大半は母なるジャングルを保護する使命をもつ環境司祭となる道を選んでいる。

イソアの人々は自治政府の形態を実践しており、栽培船も自主的な自己管理を行っているが、5標準年に相当するイソアの1シーズンに1回の割合で会合のために集まることになっている。この「会合の時」の壮大な光景は旅行者たちを魅了し、盛大な式典はあたかもジャングルの上空で行われる巨大なダンスのようである。会合では奇跡にまつわる逸話や家族の栄誉、結婚の誓いなどが話し合われ、銀河系における彼らの居場所についての討論も行われる。この会合には故郷の近くにいる宇宙栽培船も参加するが、イソアから遠く離れた深宇宙でも小規模な会合が同時に開かれることになっている。

宇宙栽培船は帝国軍と反乱同盟軍の両方と取引きを行っているが、イソーリアンたちは禍を避けたいと願っている。彼らにはどちらかの陣営に加担する理由はなく、可能な限り平和を維持していたいのだ。しかし、最近になって帝国軍のインペリアル・スター・デストロイヤーがイソアの軌道を徘徊するようになり、ストームトルーパーの駐屯部隊を送り込んできた。帝国軍はイソーリアンたちの商業活動を監視するだけだと主張し、彼らの不満は無視されている。

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