エイリアン・ガイド

クーリヴァー Koorivar

原住地:
クーリヴァ
身長:
1.9メートル
主な個体:
パッセル・アージェンテ、デナリア・キー、オロー・ダシーン

Koorivar

ナブーの戦いより数千年もの昔、クーリヴァーたちは太陽が不安定になったことから故郷を捨て(その当時は別の種族名で呼ばれていた)、より快適なインナー・リムのクーリヴァ星系に移住した。この第2の故郷は彼らの好む熱帯惑星であり、広大な海洋と雨が不規則に降り続ける森林に覆われている。そして共和国から数世紀にわたって同星系の第5惑星を「借りていた」彼らは、惑星の名前クーリヴァから新しい種族名を襲名し、銀河元老院に対してこの惑星の独占的使用権を譲ってくれるよう嘆願書を提出したのだった。しかし、元老院はこの申し出をきっぱりと拒否する。だが、クーリヴァーは放浪の商人となり、やがて元老院の決定を覆させるほどの影響力を手に入れるのだった。

鋭いビジネス・センスに恵まれたクーリヴァーの商人は惑星から惑星へと徘徊し、ある星系で安く購入した物を別の星系で高く売りさばいていた。他の多くの種族とは異なり、彼らは利益の上がるビジネス・チャンスを求めて銀河系を隅々まで精力的に旅したのである。多くの有力なクーリヴァーは悪名高き武器商人となり、様々な惑星紛争で戦っている両陣営に武器を売っている。彼らはこうした紛争との関わりを懸命に隠そうとしているが、誰にでも喜んで武器を売ろうとするため、合法的な貿易商としての名声を大きく傷つけている。やがてクーリヴァー政府が共和国の調査機関から無法ビジネスの実態を隠そうとすると、元老院はついにクーリヴァ星系に対する経済制裁を実施したのだった。共和国艦船が星系を封鎖し、地元政府はクーリヴァに接近またはここから出発するあらゆる船に多額の関税を課すようになったのである。

ついにクーリヴァーはしぶしぶながらも共和国の貿易法と官僚主義を容認し、元老院から封鎖と経済制裁の解除を認められた。この経験から、疑り深いクーリヴァーの商人たちは、どんな手を使ってでも違法ビジネスを隠しさえすれば、すべて合法的なビジネスになるのだということを学んだのだった。

クーリヴァーは日和見主義で抜け目なく、そして用心深い種族である。彼らは危険な場所に身を置こうとせず、暴力的解決の前に常に取引きや策略によって困難な状況からの脱却を図ろうとする。

クーリヴァーは様々な皮膚の色をしており、濃紫色や薄紫色の者もいれば暗緑色や黒色の者もいる。また、目は生気の欠けた暗黄色をしており、額から鼻の頭にかけて広い縞状の起伏が走っている。さらに、頭頂部からは明るい色の螺旋を描いた葉柄のような角が伸びている。彼らは囁き声と歯軋り音を組み合わせた独自の言葉と身振り手振りを交えて会話を行うが、大抵のクーリヴァーはベイシックを話すことが可能である。

彼らは名誉と利益を求めて銀河系に進出している。宇宙に出たクーリヴァーの多くは自分の宇宙船を所有し、様々な種族からなる乗員を雇ってそれぞれの得意分野を活かした場所に配置している。特にクーリヴァーの商人たちは努力と財産を集めて小規模な艦隊を編成し、それを伴って行商に出ていることも多い。

クオサヴ Quor'sav

原住地:
ウァウァ
身長:
3.5メートル
主な個体:
カルファルニル・シンドロス

Quor'sav

クオサヴは鳥類と単孔類の双方の性質を併せ持つ温血種族である。彼らは竹馬のような脚と長い首を持った長身の種族であり、卵を産むことによって繁殖を行う。卵は約1年で孵化する。彼らはセントラリティのウア星系に属する惑星ウァウァの原住種族である。

あるとき、人間の入植者が鳥類に死をもたらす(だが、哺乳類のみが媒介する)ウイルスをウァウァに持ち込んだ。そのため、クオサヴはウァウァにおける非鳥類の外界人を一切信用せず、歓迎もしていない。彼らはセントラリティそのものに汚れた過去を抱いているのだ。

また、クオサヴはコルサントなどに存在する空気中の汚染物質に対して、肉体的な弱さを見せている。

クオレン Quarren

原住地:
カラマリ
身長:
1.4〜1.9メートル
主な個体:
テセック、ティッキーズ、ヴェッカー

Quarren

「スクイッド・ヘッド」の異名を持つクオレンは、触手の生えたイカのような顔をした知的ヒューマノイドである。革のように硬い皮膚、トルコ石色の目、吸盤状の指を持つこの野心的な種族は、哀しげな目をしたモン・カラマリと共に水の惑星カラマリを共有しており、浮遊都市の最下層で生活している。

クオレンとモン・カラマリは同じ惑星で同じ言語を共有しているが、クオレンの主張は比較的実用的かつ保守的である。銀河共通語を習得したモン・カラマリとは対照的に、クオレンは忠実に海洋語を守り通し、ベイシックは外界人との取引きの際にしか使っていない。

カラマリは陸地のほとんどない海洋惑星である。さらに存在する陸地の多くも沼地や湿地帯であり、モン・カラマリが青緑色の海から上がってきたとき、そこから初めて水文明社会が広がっていった。クオレンも空気中で生活することはできるが、水中での穏やかな安全性を好み、海底での生活を続けている。やがて両者は協力し合うようになり、モン・カル(クオレンはこう呼んでいる)がアイデアを出すと、クオレンがそれを実現するための金属資源を採掘していた。現在のカラマリでは、巨大な浮遊都市が海洋を見下ろしている。それらは水面のはるか下にまで伸びており、教育と文化と政治の中心地にもなっている。そして、クオレンはその最下層で生活し、働いているのだ。

クオレンは実践的な種族であり、新しい考えや高尚な概念を信じようとしない。芸術や文学から見て取れる彼らの生活様式は、モン・カルのそれとやや対極に位置したものである。彼らは輝かしい明日を夢見ることはないが、記憶にある過去にはしっかりとしがみつく。彼らの生まれた場所は海であって、空に浮かぶ金属の固まりでもなければ、宇宙の星の中でもないのだ。しかし、クオレンは海底から無限の宇宙にまで、モン・カルに従い、彼らの夢と願望から利益を引き出し、依存性をかなり大きなものにしている。しかし、カラマリに初めて帝国艦船が到着したときに明らかとなった外界での戦争が発端となり、この依存関係は2種族の間に文字通りの摩擦を引き起こすことになったのである。

帝国艦船がモン・カラマリを攻撃し、船を破壊し、地表の都市に甚大な被害を与えると、クオレンが他の種族と出会い、銀河系の同胞に加わるための目的として捉えていたものは急激に悪転した。その日カラマリが施したわずかな防衛手段はすべて無意味に終わり、クオレンが防衛網を妨害して帝国軍を支援したという噂まで流れたのである。しかし、両種族はすぐに帝国軍によって隷従させられ、帝国軍の戦争用兵器を作るための強制収容所に連れていかれた。まもなく両者は敵対者に対して再び団結し、モン・カラマリの指揮によって帝国軍への消極的な抵抗の理論を実践する。しかし、帝国地上軍の侵攻はそう簡単には阻止できず、結果として行われたのは銀河系の同胞たちでさえ信じられないような残虐行為だった。浮遊都市は帝国艦隊によって完全に破壊され、カラマリの海が住民たちの血で赤く染まったのである。この行為はカラマリの人々を再び戦いへと奮い立たせた。彼らは粗末な武器と強い決意のもと、決死の覚悟で帝国軍に立ち向かったのである。

その団結の日以来、多くのクオレンが生活の地を求めて星系から逃亡していった。彼らは意図的に同盟軍と帝国軍の両方を避け、陽の当たらない仕事を行っている。クオレンは海賊、奴隷商人、密輸業者などに多く見られ、なかには帝国全体に通じるスパイ網で働いている者もいる。

クバーズ Kubaz

原住地:
クビンディ
身長:
1.5メートル
主な個体:
ガリンダン

Kubaz

クバーズは手に4本の太く短い指、足には大きな2本の指を持つヒューマノイドである。クバーズの顔で最も特徴的な部分は、物を掴むのに適した長い鼻である。肌は黒緑色で荒れており、頭頂部から剛毛を生やしている。また、目は非常に大きく、赤外線を感知できるため外界の環境では常にゴーグルを付けている。

クバーズは氏族の伝統と誇りを重んじる教養ある種族である。彼らは芸術、音楽、その他の洗練されたエンターテイメントを楽しむが、一番のお気に入りは昆虫の宴である。仮に客が昆虫の宴に参加しなかったとしても、彼らはそれを侮辱とは受け止めないが、彼らはその客に文化と味に関する判断力が欠乏していると結論する。

クバーズは青色巨星クバカイを巡る巨大惑星クビンディの原住種族である。この星は天文学者たちの間でも強烈な太陽光を発することで知られている。内側の軌道を回る4つの惑星は灼熱の岩石球と化しており、クビンディもほぼ同様である。乾燥惑星になりつつあるクバカイの第5惑星では予測できない嵐が発生し、天気のパターンも不安定になっている。クビンディの動植物はこの惑星の厳しい気候やクバカイの予測不可能な放射性爆発に興味深い方法で順応した。特に、あらゆる種類の放射線に極めてよく順応している昆虫たちは、クバカイで大きな繁栄を遂げており、太陽が激しい活動期を終えると、極微のダニからバンサほどもあるジャイアント・サン=ビートルまで、様々な新しい突然変異種が姿を現す。多くの生物が太陽からくる厳しい放射線から身を護るために死滅細胞の厚い表皮を発達させているが、一方で夜にだけ地表を徘徊する生物も存在している。

太古の昔に強力な太陽光が惑星の植物を焼き払ってしまったため、本来草食動物だったクバーズの祖先は新たな主食として昆虫に目をつけた。飢餓に直面していた彼らは昆虫の巣をこじ開け、中の昆虫を食べ始めたのだ。クバーズは昆虫の巣を破壊するだけの強靭さ、針による攻撃にも耐えられる厚い皮膚、手には土を掘るのに適した鋭い爪を備えていたため、昆虫の捕食にもうまく適応することができたのだ。事実、彼らは植物が再び茂るようになった後も美味しい巣の中身を食べ続け、ついには昆虫を容易に捕食できる長い鼻と細い舌を発達させたのである。

何千世代もの間、クバーズたちは氏族単位で昆虫を求め、クビンディの大地をさまよっていた。そしてついに、彼らは昆虫の巣が珍しくなるほどに繁栄したのである。やがてクバーズは巣の捜索よりも養殖の方が簡単だということに気づき、昆虫文化の発展のために放浪生活を廃止した。彼らは狭い敷地で大量の昆虫を養殖できる極めて効率的な方法を開発したのである。

初期のクバーズ社会では、昆虫の巣泥棒が日常的に行われていた。昆虫の巣は互いにほとんど見分けがつかず、所有権の主張もほとんど不可能だったのだ。そこで、彼らはこの問題を克服するために昆虫の品種改良技術を発達させ、それぞれの氏族に独自の品種からなる群れを与えることによって盗みを容易に立証できるようにしたのだった。しかし、クバーズの味覚は敏感であり、同じ品種の昆虫だけではすぐに飽きてしまうようになった。各氏族は食事のバリエーションを増やすためにお互いの巣を交換しはじめ、やがて惑星間での交易共同体が発足したのである。

貿易の発達は科学技術の発展を招き、クバーズ社会はますます複雑になっていった。彼らは遠方から昆虫の巣を運ぶための高速輸送技術、輸送量を記録するためのコンピュータ、輸送および貯蔵中の巣を新鮮に保つためのエキゾチックな環境を作り出す技術を開発した。そしてついに星間旅行が可能となり、クバーズは第6、第8、第11惑星で、珍味な昆虫を養殖するようになったのだ。

クバーズの氏族のメンバーは通常、互いに寄り添って生活しているが、夫婦はそれぞれ自分たちのアパートを所有している。さらに夫婦は子供たちとアパートを共有しているが、子供は5標準歳になると氏族の託児施設に入れられ、こうした託児施設では1人の成人女性が全員の子供を養っている。

クバーズ社会の政治は主に大きな貿易を行っている氏族の意向によって決定される。また、その技術レベルは工業的であるが、限定された大量生産しかできない。

銀河の宇宙港でクバーズを見かけることは少ないが、彼らは何年もの間、帝国との接触を続けており、故郷のエキゾチックな料理によって一部では有名になった者もいる。

クラトゥイニアン Klatooinian

原住地:
クラトゥイーン
身長:
1.6〜2.0メートル
主な個体:
チョーク、バラーダ、アンパス=ステイ

Klatooinian

クラトゥイニアンはニクトやヴォドランと同様に、銀河系ではハットの手下として広く知られている。彼らはオリーブ・グリーンから暗茶色にわたるざらざらの皮膚をした長身のヒューマノイドである。鼻は平らで薄い犬鼻であり、暗い目の上には厚い眉毛が生えている。

クラトゥイニアンは文化と伝統を強く重んじており、特に長老たちは先住者や彼らの創造した手法に敬意を払っている。しかし、より若い世代には不満や反逆心を抱いている者も多く、このことはクラトゥイニアン社会に大きな波紋を広げている。クラトゥイニアンは粘り強さと獰猛さ、そして揺るぎ無い忠誠心を示すため、数千年にもわたって忠実な使用人や便利な使い捨て兵士として見なされていた。彼らの敬意を得ることができれば、その忠誠に疑問の余地はない。旧共和国の台頭以前にハットが利用していたのは、まさにこの忠誠心だったのである。

惑星クラトゥイーンのディアルクース砂漠の中央には天然の鉢状砂丘が存在している。緩やかなクレーターの基部には惑星の外殻を裂く亀裂が走っており、独自の光景を醸し出している。クラトゥイーンの地表の下からは液体ウィントリウムが外にしみ出し、砂漠の空気に触れている。外へ流出した液体ガラスはおよそ1,000年の間隔で冷え固まり、ウィントリウムは砂漠の中央に位置する発展途中のガラスの「彫刻」へと加わっていく。単に「古代の泉」とだけ呼ばれているこの彫刻も、クラトゥイニアンからは宗教的な人工物と見なされており、忍耐と固執に必要な証と考えられている。しかし、それは疲れ切った宇宙飛行士が見れば気絶してしまうほど壮大なものである。

初期の原始的な人々はこの「泉」を見て、その荒野のなかの宝石のような光沢を尊重し、それを具体化した原則を重視した。年齢、時そして強度は、クラトゥイニアンの文化の基礎となった。それらの概念は砂漠で困難な生活に直面したクラトゥイニアンの人々へ宛てた伝説の古代人からの贈り物だったのである。この伝説は歴史書にも記述されているが、クラトゥイニアンの文化は旧共和国以前のものであるため、その歴史の大部分は太古の昔に失われている。しかし、クラトゥイニアンにとって時間は最も強力な力だった。何者も時間には耐えることができず、最も頑丈な山も最後には崩れ、最も巨大な悪も時間の重みの下に崩壊してしまうのだ。しかし、その例外が「泉」であり、それは年齢と共に強くなっていった。年齢と共に強くなる、これはクラトゥイニアンの文化における重要な概念となった。クラトゥイニアンは「泉の子」だったため、彼らにはその財産の相続を論じる権利があったが、彼らの生活は過酷で厳しいものだったのだ。

クラトゥイニアンの子供たちは人生の最初の10年を文化、神話、伝説、伝統の勉強で過ごす。この学習期間は子供たちからあらゆる個性を奪ってしまうため、幼少のクラトゥイニアンは単に名前が違うだけのように見られている。その上、多くの親は同じ神話や歴史から命名の発想を得るため、名前ですら識別できないことも多い。そして、卒業して10年たった若いクラトゥイニアンは強制労働の形で売りに出される。通常は都市や街で働くために売られるが、無礼な若者は結局奴隷として売りに出されている。反逆者の若者ほど条件は厳しく、彼らは惑星中の鉱山、造船所、石切り場などの厳しい環境で働かされることが多い。

何千年もの昔、ハットたちは故郷の惑星ヴァールから進出し、ナル・ハッタや他のハット・スペースに属する惑星などの新たな植民地を開拓した。そしてついに、彼らはクラトゥイーンを発見したのである。何世紀にも及ぶ長い寿命を持つハットは、クラトゥイニアンから神に近い存在として尊敬された。種族全体でハットに隷従することは、年齢に対する彼らの尊敬の念だったのだ。おそらく、ハットを古代の存在と推測した者もいただろう。ハットはほとんど何の障害もなく自分たちの帝国に彼らを統合させ、シクラッタ星団で発見された他の2種族、ニクトとヴォドランもハットとの条約に署名したのである。

クラトゥイニアンの代表は、彼らの歴史において最も尊敬された学者であり指導者でもあるバラーダ・ムベッグだった。そのため多くのクラトゥイニアンの子供はバラーダ、あるいはムベッグという名前を付けられるため、間違って種族全体がバラーダという名前で紹介されることも多い。ハットたちはクラトゥイニアン、ニクト、そしてヴォドランを傭兵やボディガード、召使いとして利用し、さらにこの3種族は(ヴォンター条約で規定されている契約に基づき)3回目のヴォンターの戦いでハットが独裁者シム大将軍を追放する手助けを行った。クラトゥイニアンは、25,000標準年以上にわたってハットに忠誠を誓っているが、おそらくはハットへの隷従のことも含め、現在ではすべて過ぎ去ったことだと信じている者もいる。トプラワ、ベグリン、そしてヤヴィンにおける反軍同盟軍の勝利は若いクラトゥイニアンを中心とした反乱の炎を仰いだのである。多くのクラトゥイニアンは一千世代にわたって彼らを支配していた伝統に背を向けることになった。若年層のクラトゥイニアンたちは伝統を見放し、奴隷となることを拒絶している。その中には敵対している犯罪組織や反乱同盟軍に加わる者もいるという。

貨物船に逃げ込んで人員輸送艇の乗組員になったクラトゥイニアンもいたが、他の多くの若者たちは長老たちから逃れるため、クラトゥイーンの荒野へと逃げていった。反乱同盟軍はクラトゥイニアンの若者に注意を払っているが、彼らはハット・スペースの奥深くにいるため、援助や救助の手を差し伸べることもほとんど不可能なのが現状である。

かつてのクラトゥイニアンは「古代の泉」の周囲に建てられた宮殿にある長老評議会によって支配されていたが、その後「泉」は「古代ハットの泉」と名を変えられた。評議会のメンバーは現職のメンバーが死ぬか、あるいは評議会の任務を完全に遂行できないと判断された場合にのみ改選される。候補者は年齢、職務経験、および古代クラトゥイーンの神話や伝統の解釈に基づく討議能力によって人選される。クラトゥイニアンはハットから自治を任されているが、外界へのあらゆる関心を制限されており、特に他の惑星との商業関係はハットの承諾がなければ結ぶことができない。有名なクラトゥイニアン商業ギルドのような企業や組織も、ハットの主人の意志に応じて動く乗り物に過ぎないのである。

また、彼らはハイパースペース航行技術を手にしているが、より単純な工業レベルの技術が集中している状態を好んでいる。また、クラトゥイーンの主な都市ではコンピュータ・システムやリパルサーリフトによる輸送が発展しているが、「泉」の周辺地域だけは何千年も前から同じ状態が保たれている。この神聖な場所から半径1キロメートル以内では、先進技術の使用が一切許されていない。

グラン Gran

原住地:
キニエン
身長:
1.1〜1.8メートル
主な個体:
アクス・モウ、マーホニック、リー=イーズ

Gran

平和なグランは長年にわたって銀河社会の一員だったが、彼らは常に自分たち自身を守る民族だった。彼らは銀河系を端から端まで旅するよりも、故郷の惑星キニエンで暮らすことを好む極めて社会的な種族である。

グランは3つの突起した黒い目を持つベージュ肌のヒューマノイドである。突起した目の下には長い顎骨があり、頭骨の頂点と後ろには隆起した筋と小さな角を持っている。また、草食動物から進化した彼らは食物を消化するための胃を2つ備えており、多くのグランは食事に時間をかけ、確実に食物を噛み砕き、味わうようにしている。

また、グランは極めて優れた視力の持ち主でもある。彼らは他の大抵の種族より多くの色を分解することができ、赤外線のスペクトルを調べることもできる。そのためグランは視覚的な芸術を好み、色をふんだんに使った飾りを楽しんでいる。

ほとんどのグランは親切で親しみやすく、そう簡単に怒ったりはしない。彼らは他人が欲求不満を漏らしている間も喜んで話を聞いてくれるが、自分の問題について不満を漏らすときは後手に回ってしまう。困難に遭遇したときのグランの基本的対処法は、愉快な態度を表現し、維持することである。また、ほとんどのグランはたとえ種族の仲間を外敵から守るときであっても、平和的かつ非暴力的に振る舞おうとする。

グランは子供のころから危機の対処法について学んだリーダーの下で強固な社会構造を形成し、論争が起こると問題は非常に重々しくゆっくりと解決される。グランの基本的な政治原則は、可能な限り他の生物に害が及ばないように、すべての人々に平和と安全を与えることなのだ。

キニエンでは10,000年以上にもわたって争いが行われた記録がなく、グランは平和な歴史を維持している。グランの古文書には太古の戦争の記録こそ残されているが、それは生存するための問題によって生じた争いであり、感情的な対立によるものではなかった。彼らは極めて社会的な種族であり、それぞれが他人との深い結びつきを感じている。ほとんどのグランにとって、同族のすべてのメンバーが家族の一員であり、体温や肌色の微妙な変化によって、仲間の感情を読むこともできる。2人のグランは結婚すると、そのどちらかが死ぬまで一緒に寄り添って暮らし、相手が死んでしまうと、必然的に生き残った配偶者も数日以内に傷心して死んでしまう。事実、キニエンにいるグランの学者は、グラン同士の強力な結びつきは社会的なものであると同時に生物学的なものでもあると信じている。

遠い昔、グランはキニエンの有名な高原と山で暮らしていたが、彼らはこの惑星を支配していた巨大な肉食獣にとって格好の獲物だった。しかし、彼らはお互いが近くで生活し、共に働けば、自分たち自身を守れるということを学んだ。この集団本能は高度に調和した社会へと発展し、今日ではグランがキニエンを支配している。肉食獣たちは保護され、広大な保護区域に閉じ込められたが、逆に彼らは惑星中のあらゆる環境で暮らすために山を離れていった。グランの保護区域で狩猟を行うためにキニエンまでやって来る帝国の役人もいるほどである。

グランの社会構造は社会の改良のための個々の働きに頼っており、分配システムに従って、生活のすべての要素は社会全体に対する個々の欲望を追いやる方向に働いている。このような社会に苛立ちを覚えているグランもいるが、彼らはこの社会を理論的かつ必要なシステムとして捉えており、すべてのグランは自分の立場をわきまえ、農夫は作物を育て、政治家は富と技術を最も公平に分配する決定を下している。

旧共和国が初めてグランを発見したとき、最初の探検隊はグランの社会に激変をもたらした。共同社会に大きな亀裂を残してキニエンを去った者もいたが、他のグランたちは代表者を交換して交渉することを学んだ。しかし、初期の衝撃の後、結局、彼らは孤立主義が自分たち本来の社会を維持する最善の方法であると感じ、政治家たちは市民にキニエンを離れることを禁止した。同時に、彼らは都市にエイリアン地区を建設し、他の種族がこれらの区画から出ることも禁じたのである。

しかし、グランの社会が銀河系の文明と徐々に接触するようになると、旧共和国もグランたちの要望を考慮に入れるようになった。事実、キニエンの現在のテクノロジーは共和国から贈られたものである。彼らはテクノロジーとその維持に関しては外界人に依存しているが、そのことを認める者はほとんどいない。

数年後、新秩序はキニエンのすべての区域への接触を要求し、グランたちが抗議を行うと、帝国は実力行使に出たのだった。TIEボマーの1個中隊がグランの都市を荒野と化し、今ではグランも帝国軍の支配下に置かれている。このころから彼らは銀河系の情勢により深く関わるようになり始め、現在では配偶者や親密な仲間の商業グループから一定の基準に基づいた許可を得れば、キニエンを離れることもできるようになっている。

グランは同種族の仲間から長い時間離れて過ごしていると、精神が不安定になり、ついには発狂してしまうことがある。彼らの合法的な極刑は放逐であり、外界人たちもグランが孤独を嫌うことを知っている。グランの犯罪者や追放者の目印は黒装束である。狂気に狩られたグランはキニエンの色鮮やかな都市を彷彿してしまうため、もはや明るい色を見ることができない。しかし幸運にも、グランの犯罪者はほとんどいない。

グランは独自の企業や多様なエイリアン文化だけでなく、ハイパースペース航行艦船をも所有し、帝国との取引きも行っている。特に、彼らは惑星ギジュの先に広がるハーグリックたちの植民地と活発な取引きを展開させた。

グランは肥沃な大地を有し、過剰となった食物を取引相手に売っている。帝国による輸出入禁止令を受ければ甚大な危険を伴うため、彼らはハイテク用品を輸入し、さらに自分たちの工業技術を発展させなければならない。彼らは同セクター内の他の星系とも取引きを行っているが、キニエンには特別な資源はない。帝国軍は保安上の理由からキニエンにも駐屯基地を設置しているが、帝国軍が平和的なグランからはほとんど脅威を感じていないのも事実である。

クローダイト Clawdite

原住地:
ゾラン
身長:
1.7メートル
主な個体:
ザム・ウェセル

Clawdite

一般に変身能力を持つ種族は危険な集団として見なされるが、クローダイトもその一例である。クローダイトはヒューマノイドであり、皮膚や肉体の形状をある程度まで変化させることができるが、体重を変えることまではできない。また、変身した状態を維持するには集中力が必要とされ、気が散ったり、死んでしまった場合には元の姿に戻ってしまう。

クローダイトはミッド・リムの惑星ゾランに原住するヒューマノイドが遺伝子的に進化した姿である。かつてゾランダーを太陽放射から保護するために、科学者たちは長期にわたって皮膚を変形させる未発育の遺伝子を始動させた。このとき、彼らの進化が偶発的に引き起こされたのだ。これ以来何世紀も経て、ゾランダーの進化の過程からクローダイトが拡散していったのである。

クローダイトにとって変身は極めて不快なプロセスを伴う。通常の形態以外の姿に変身し、その状態を維持するために、彼らはかなりの苦痛を強いられるのだ。そのため熟練した変身者には、変身能力の補助として治癒力のある特殊なオイルや瞑想技術を使う者も多い。

「休息中」のクローダイトは、通常のゾランダーと識別不可能である。しかし、既知のクローダイトは罪深く不潔な存在として扱われていたため、ゾランダー社会から久しく追放されており、保護区での生活を強いられていた。

旧共和国末期の分離主義による危機までの間、クローダイトは彼らが有していたわずかな政治的力を強化し、援助を求めるためドゥークー伯爵と接触した。やがてクローン大戦によりもたらされた騒然とした出来事は、彼らに独立への第一歩を与える。だが、帝国が台頭すると、帝国軍はクローダイトが惑星から流出することを防ぐためにゾランを封鎖したのだった。

新共和国が帝国に取って代わると、ゾランは内戦に突入し、クローダイトは惑星の3分の1を支配するに至った。だが、この驚異的な発展もやがてユージャン・ヴォングの侵略によって侵食されてしまう。この新たなる危機に際して、新共和国情報部はユージャン・ヴォングに対する工作員として送り込むべく、クローダイトのスパイの募集を開始したのだった。

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