キャラクター・ガイド / ならず者

サージX・アロガンタス Serji-X Arrogantus

種族:
人間
出身:
アドゥバ3
職業:
スウープ・レーサー、クラウド=ライダーズのリーダー
性別:
身長:
1.8メートル
愛機:
改良型アラテック社製ペリグリン360・スカイスピーダー

Serji-X Arrogantus

サージX・アロガンタスは黒髪と立派な黒髭を生やした、褐色の肌の人間男性である。彼は茶色のレザーのフライト・ジャケットを着込み、緑色のレンズの付いたレース用ゴーグルを付けていた。かつてカプリオリルを拠点とするスウォ=オリム・レーシング・サーキットのプロ・スウープ・パイロットだったサージXは、その攻撃的かつ率直な性格によって、共和国の晩年に多くのライバルを集めることになる。彼はスポーツの危険性やレースに課せられたわずかなルールをあからさまに無視し、「傲慢な男」というあだ名を与えられたのだった。

スウープ・レーシングという弱肉強食の世界では、しばしば運命の急転を迎えることになる。注目を浴びていた時期が過ぎ去ると、サージXもマラステア出身の裕福なダグ、ホドリックスに追い越されたのだった。ホドリックスは、サージXに愛想が尽きた彼の後援者やマネージャーたちを自分の陣営へ招き入れることに成功し、アロガンタスを孤立させる。アロガンタスは消え行く名声を復活させるべく、かつてのファンを喜ばせようと無謀なスタントを試みるが、重大な事故を起こし、頭部の怪我による引退を強いられたのだった。やがて、彼はアウター・リムへと流れ着き、ついには非合法なスウープ・ギャングとのレースに手を染めることになる。

サージX・アロガンタスはアドゥバ3を拠点とするスカイスピーダーに乗った略奪団、クラウド=ライダーズのリーダーとなった。彼の命令のもと、クラウド=ライダーズはアドゥバ3の小規模な農村オナクラから毎年金品を巻き上げ、ときには農場の女たちをも奪い、農夫たちを困惑させていたのである。「傲慢な男」の名のとおり、サージXは冷酷で無骨な男だが、自分では色男だと認識していた。たとえば、彼は村の美しい女性、メリー・シェンを誘拐するが、彼女を強引に従わせようとはせず、傲慢にも彼女を自分の魅力によって虜にしようと考えたのだった。やがて、彼の略奪行為にうんざりした村人たちは、用心棒を雇い、助力を求めることで反撃を開始する。彼らは運に見放されたスペーサー、ハン・ソロに乏しい報酬を支払い、彼はサージXとその一党を倒すため、次々と仲間の用心棒たちを雇ったのだった。

ハン・ソロはブラック・ホール・ギャングの前デン=マザーのアマイザ、レパス・カーニヴォラスのジャクソン、全身を鋭い針で覆われたスピナーのヘッジ、妄想癖の「ジェダイ・ナイト」ドン=ワン・キホテイ、そして地元のジム・スターキラー・キッドとそのドロイド、FE-9Qなど、いわゆるスター=ホッパーのメンバーたちと共に到着する。そして、アロガンタスの新入りの手下の1人であり、ソロに激しい恨みを抱いている緑色の肌をした殺し屋ワートーが、彼の用心棒部隊のことをサージXに通報したのだった。

サージXは部下を率いてオナクラの村を襲撃し、クラウド=ライダーズとスター=ホッパーたちとの銃撃戦が巻き起こる。するとこの混沌のなか、オールド・ワンと呼ばれる年老いた村のシャーマンが現れ、アドゥバ3の地下深くから巨大な猛獣を召還すると訴えた。だが、サージXはその話を長々と聞いたものの、まったく気にも留めなかった。すると、地下から怒りのエネルギーに満ちた巨大なワールド・ビローのビヒモスが姿を現し、戦闘の真っ只中で大暴れする。サージXとオールド・ワンは、この猛獣の巨大な一踏によって一瞬にして殺されてしまったのだった。

クーン知事 Governor Koong

種族:
人間
出身:
ルーン
職業:
トーントゥーム州知事
性別:
身長:
不明
愛機:
ルーン・クラウドクラフト、ルーン・クリッパー奴隷運搬用ガレー船

Governor Koong

無骨で野蛮なクーンは、アウター・リムに属する惑星ルーンのトーントゥーム州知事である。クーンには誇大妄想癖があり、彼は帝国の初期の時代に個人的権力を増大させるべく、政治的陰謀や盗み、ハイジャックなどを行っていた。

クーンは共和国に取って代わった帝国との同盟を切望しており、帝国憲章の獲得を目指していた。その努力の一環として、彼は帝国軍のスクリード提督をシスのマントと呼ばれる星雲での財産救出事業に招待する。クーンはこの薄暗いガス星雲の中でライトステーションを乗っ取り、その残骸を回収するために故意に遭難させていたのである。彼はこうした海賊行為によって莫大な資産を獲得していたのだ。

輸送業者マンゴ・バオバブの宇宙船<キャラヴェル>を救助したとき、クーンは凛々しく着飾ったマンゴを帝国からの使節だと誤解した。そして、スクリードが彼のライトステーションに到着したとき、クーンはようやくこの輸送業者に騙されていたことに気づいたのである。クーンはバオバブを捕らえようとするが、彼はライトステーションに深刻な被害を与えて逃走してしまう。ステーションは制御を失って回転し、小惑星に衝突したのだった。

クーンとスクリードは脱出したが、知事は不満げな提督の前で面目を保とうと試みた。このときスクリードはクーンに対し、自分の惑星内の反抗的な州でさえ潰せない知事が、新たなる帝国でどのような統治を望めるのかと疑問を呈する。クーンは反抗的なアンブー州への抑圧より、新秩序への献身が優先であると訴えた。スクリードは適当に彼をおだてると、ますます絶望的になりつつある彼の計画を見届けたのだった。

また、無節操な知事はルーン・コロニアル・ゲームへの妨害行為を試みた。彼はトーントゥーム・チームにアンブー・チームを打倒させることによって、反乱の精神を砕き、自らの権威と地位を確固たるものとすることを望んでいたのだ。だが、またしてもマンゴ・バオバブの活躍によってアンブー州が勝利を手にし、クーンの計画は頓挫することになる。

そこで、クーンは田園地帯上空に恐ろしい病原菌を散布することで雪辱を行った。だが、無能な知事は誤って自分自身を感染させてしまう。ルーズ菌に侵された彼は副官のガフを派遣し、アンブー州の著名な医師ニルズ・ヨムを呼び寄せた。そしてクーンはルーズの解毒剤を作らせるためにニルズを酷使したのである。

やがてニルズは解毒剤の開発に成功するが、彼は解毒剤と共にマンゴに救出される。そしてマンゴはクーンに最後通牒を突きつけた。奪い取った<キャラヴェル>を返し、二度とアンブーの人々を弾圧しないと約束するならば、ルーズ菌の治療を行い、ルーンストーンの財宝の所在を提供しようというのだ。クーンはその条件に同意するが、そのときスクリードが彼を裏切った。当初からスクリードの関心の的は財宝だけであり、その位置を知ったと同時に彼はルーン全域を帝国の支配下に置いたのである。

激怒したクーンは鑿岩レーザーを使い、ルーンストーンの貯蔵庫を攻撃した。高価な宝石は溶岩の中へと流出してしまう。だがその後、彼は解毒剤を使う前にルーズの感染症で死亡したのだった。

ガフ Gaff

種族:
コボック
出身:
ルーン
職業:
トーントゥーム州知事補佐
性別:
身長:
不明
愛機:
不明

Gaff

黄色の皮膚をした昆虫型種族コボックのガフは、帝国の初期の時代にクーン知事に仕えていた副官である。ガフは前腕部にコボック特有の鋭い棘を生やしており、後頭部にある第3の目を含む、3つのオレンジ色の複眼を持っている。また、腕に生えた棘からは毒が分泌され、あらゆるヒューマノイドを意識不明の状態にさせることができる。だが奇妙なことに、コボック自身もその毒には簡単に感染してしまう。また、ガフはそのスリムな体格からは想像できないほどの力を誇っており、驚異的な距離を飛び越えることができるのだ。

ガフは帝国軍のスクリード提督に取り入るためクーン知事が考案した多数の陰謀に加担している。だが、これらの計画は輸送業者マンゴ・バオバブと彼のドロイド、C-3POとR2-D2によって、ことごとく頓挫させられたのだった。

ガー・カイボ・レン=チャ Gir Kybo Ren-Cha

種族:
人間
出身:
ターヌンガ
職業:
海賊
性別:
身長:
不明
愛機:
アタック・シップ<ダイアノーガ>、インペリアル級スター・デストロイヤー<デモリッシャー>

Gir Kybo Ren-Cha

ガー・カイボ・レン=チャは帝国の初期に活動していたターヌンガの海賊団の首領である。単にカイボ・レンと呼ばれることの多い彼は、長く垂れ下がった口ひげと、小さな顎鬚が特徴的な小太りの人間だった。また、彼は非常に自分本位な男であり、自らの名前を発して楽しむ傾向があった。「カイボ・レンの怒りから逃れられる者はいない」これは彼が好んで叫んでいたセリフである。

レンの主な活動拠点は惑星タムズ=アン周辺の宙域だった。エイリアンが大半を占める彼の部下たちは、帝国軍から奪ったTIEファイターを操縦しており、その機体には部隊の紋章である赤いワンパの頭蓋骨をあしらったマークが刻まれている。また、レン自身は<ダイアノーガ>と名づけられた改良型アタック・シップに搭乗していた。

カイボ・レンはタムズ=アンの富に目をつけ、頻繁にこの惑星への襲撃を繰り返していた。そしてある日、彼はこの輪を持つ惑星へ向かう燃料補給船を待ち伏せし、ジェシカ・ミードの所有する貨物船を攻撃する。このときレンの海賊団はジェシカ、C-3PO、R2-D2を捕虜とし、ターヌンガの本拠地へと連行したのだった。

やがて、レンはジェシカの炎のような精神に夢中になり、彼女を捕虜でありながら「個人的な賓客」として扱うようになる。そして彼は、タムズ=アンから奪った富によって、ジェシカの王国を築き上げると約束するのだった。レンは惑星への燃料輸送を遮断していたため、タムズ=アンには攻撃に耐え得るような装備がないと信じていたのである。

その後、レンはタムズ=アンへの攻撃に使用するべく、修理ドックから小型のインペリアル級スター・デストロイヤー<デモリッシャー>を強奪した。そして、<デモリッシャー>はハイパースペースから離脱し、爆撃準備に入る。しかしこの船は、内部で作業をさせられていたR2、3PO、その他の捕虜たちによって、魚雷を発射ベイに逆向きに装填されるなど、武器系統に妨害工作を施されていたのだ。その結果、<デモリッシャー>は大爆発を起こし、レンの計画も失敗に終わるのだった。彼はモン・ジャルパの軍に捕らえられ、以後、タムズ=アンへの復讐を誓うことになる。

そしてその直後、レンは副官だったジン・オバーの助けによって刑務所から脱獄することができた。その計画の中でオバーが捕らえられてしまうが、カイボはゲリン姫を人質に取ることに成功する。しかし、タムズ=アンの貴族であるトーダ卿の娘を誘拐したことによって、レンは無意識のうちにトーダの統治する辺境地域とモン・ジャルパの王国との間の和平交渉を脅かすことになるのだった。

その後、レンはゲリンを沼の衛星ボグデンへと連れて行くが、この行動は交戦中だったタムズ=アンの2大派閥の団結を導くことになる。トーダ卿派とモン・ジャルパ派の兵士たちが互いに協力し、ゲリンの救出へと向かったのだ。こうしてカイボ・レンは再び逮捕されたのだった。

クレブ・ゼロック Kleb Zellock

種族:
不明
出身:
タインズ・ホーキー
職業:
犯罪王
性別:
身長:
不明
愛機:
不明

Kleb Zellock

クレブ・ゼロックは帝国の初期にタインズ・ホーキーの暗黒街に君臨していた犯罪王である。彼は賞金稼ぎ、密輸、土地ころがし、武器取引きなど、様々な悪事に手を染めていた。クレブはこの惑星で最大の採鉱都市にある軽食堂ドードニック・カフェからビジネスを動かしており、この辺境の惑星の岩だらけの荒地にある違法なナーゴン14の鉱山を取り仕切っていたのだ。

クレブは染みひとつないスーツに身を包んだ太ったヒューマノイドである。彼は極度な潔癖主義者であり、細菌や汚れを極端に嫌悪する一方で、金だけを愛している。彼は塵埃から目を保護するため、常に厚いゴーグルをかけており、また、呼吸も肩に背負った空気清浄機から伸びるチューブを通じてのみ行っている。そのため、彼の太く低い肉声は、しゃがれた摩擦音のように聞こえるのだ。一方で、彼は超音速の金切り声を発生させる能力を持っており、それによって相手を気絶させることさえ可能である。

タムズ=アンのソラーグは、行方不明の王子モン・ジャルパを探し出すためにクレブを雇った。ソラーグはジャルパを無事に救出できた場合、40,000ケッシェルを支払うと約束する。だが、ジャルパを捕らえたクレブはソラーグを裏切り、さらに多くの身代金を要求したのだった。クレブはジャルパを、彼の友人ジャン・トシュ、C-3PO、R2-D2と共にナーゴン14の鉱山に拘留する。しかし、囚人たちは脱出に成功し、その過程で揮発性の高いナーゴン14を爆発させた。そのため鉱山は壊滅し、クレブの財産もすべて消失してしまう。さらに、ジャン・トシュはクレブを捕らえ、最寄の行政施設に引き渡したのだった。

バー=クーダ Bar-Kooda

種族:
クーダン
出身:
不明
職業:
海賊
性別:
身長:
2.0メートル
愛機:
<ブラッドスター>

Bar-Kooda

バー=クーダは犯罪王オーコ・ザ・フン(フンはハットの下級氏族にあたる)の財産を略奪したクーダンの海賊である。そのため、オーコはバー=クーダを憎んでおり、オーコの娘アナクロに恋したゴーガ・ザ・ハットは、この恋愛を成就させる計画の一環として賞金稼ぎのボバ・フェットにバー=クーダの殺害を依頼したのだった。

バー=クーダは筋肉質のヒューマノイドの肉体をしているが、その頭部は巨大かつ滑らかな球根型をしており、突き出た目と鋭い歯が並ぶ大きな口を持っている。また、彼の左腕はサーボーグ義手に置き換えられていた。だが、バー=クーダの最大の特徴はその残虐性と獰猛さである。彼は戦った相手を食べてしまうことで知られているのだ。

ボバ・フェットはバー=クーダの宇宙船<ブラッドスター>に侵入するため、魔術師ウィム・マグウィットの魔術を利用した。そして、フェットは彼のミスティカル・フープ(短距離型物質転送装置)を使い、バー=クーダを捕らえることに成功する。ゴーガはフェットからバー=クーダの肉体を受け取ると、それを丸焼きにし、オーコにディナーとして振舞った。その後、バー=クーダの兄ライ=クーダがゴーガとオーコの2人のハットに激しい復讐心を抱いていたが、彼の計画もまたフェットによって阻止され、弟と同様に始末されたのである。

ライ=クーダ Ry-Kooda

種族:
クーダン
出身:
不明
職業:
海賊
性別:
身長:
2.0メートル
愛機:
不明

Ry-Kooda

ラタル4の基地を拠点として活動している獰猛なクーダンのライ=クーダは、海賊バー=クーダの兄である。彼の頭部は弟よりも平たく、まだら模様がちりばめられているが、その反面、気性は弟と比べてそれほど激しくない。しかし、ボバ・フェットに弟が捕らえられ、殺されたことを知ったライ=クーダは、フェットとその雇い主であるゴーガ・ザ・ハット、そしてオーコ・ザ・フンに復讐するべく、攻撃を仕掛けたのだった。

ライ=クーダは3人を追跡し、オーコの娘アナクロとゴーガの新婚旅行先であるスキーボへと向かった。彼はそこでスキーボのスウープ・ギャング団スカヴァーズがアナクロを誘拐しようとしているところに出くわし、首尾よく彼女を捕らえることに成功する。そして、ライ=クーダはフェットをスキーボに追い詰めるが、この腕利きの賞金稼ぎはスキーンド・トンネルで震盪ミサイルを発射し、ライ=クーダを崩れ落ちてきた岩の中に閉じ込めたのだった。

だが、ライ=クーダは死んではおらず、オーコとフェットに対する激しい復讐を開始した。彼はオーコの宮殿を襲撃し、すべての衛兵を始末すると、オーコを殺害する。そして彼は、バー=クーダの死を再現するようにオーコの亡骸を食べたのだった。続いて、彼はアナクロの命を狙うが、その前にボバ・フェットが立ちふさがる。ライ=クーダはフェットに一騎打ちを挑み、あわや勝利を掴みかけるが、フェットはどうにか彼を有害廃液ダンプへと誘い出すことに成功した。フェットは廃液に火を放ち、ライ=クーダは炎に飲み込まれてしまう。邪悪なクーダンは燃え盛る炎の中で爆死したのだった。

モルース・ドゥール Moruth Doole

種族:
ライベット
出身:
ヴァール
職業:
看守
性別:
身長:
不明
愛機:
不明

Moruth Doole

堕落した裏切り者のライベット、モルース・ドゥールはケッセルに拠点を置くスパイス密輸組織の首領である。ライベットはずんぐりしたカエルのような身体に、汚らわしい緑の皮膚をしているが、彼はさらにその上から緑色の爬虫類の皮を身に付けることを好んでいる(セクシーな気分になると、さらに明るい黄色のタイが加わる)。ドゥールは欲しい物のためならかつての仲間を裏切るばかりか殺すことをも躊躇しない冷酷な男として知られており、偏執的な傾向が強いため、神経質そうなチックを繰り返す。この男こそは、まさに銀河系の退廃した犯罪社会の弱点を代表する存在と言えるだろう。

かつてのドゥールはケッセルにある帝国の大規模な刑務所で働く職員の1人だった。彼はその立場を利用して忠実な部下を集め、徐々に自身の権力を拡大していったのである。ドゥールは看守たちに賄賂を贈り、ときには脅迫することによってケッセルのエネルギー・シールドの配置やそのアクセス・コードに関する情報を入手していた。彼はこれらの情報を他人に売りさばくことで莫大な利益を挙げており、購入者もまた小規模なスパイス鉱山を違法に運営することができたのだ。だがその後、ドゥールは適当な時期を見計らってビジネス・パートナーを裏切り、ときには殺害することで帝国からも点数を稼いでいたのである。

帝国はケッセルの囚人たちを使ってグリッタースティム・スパイスを採取させていた。グリッタースティムは強力な覚醒作用を持つ麻薬の一種であり、銀河系の闇市場でも法外な価格で取引きされている。もちろん、ドゥールは自分の利益のために闇市場のスパイスを大量に横領しており、自分の陰謀を嗅ぎつけた者に対しては、極わずかな例外を除いて確実に抹殺していた。そして、自らの欲望のために誘拐してきたライベットの女たちに無理やり子供を産ませ、自分の子供たちさえも奴隷として真っ暗な鉱山で働かせていたのである。ドゥールが唯一の信頼を置く直属の部下は、刑務所の看守をしていたアーブ・スキンクスネクスだった。彼はまるで骸骨のような細身の男だが、盗人や暗殺者としての腕前は一流であり、ドゥールの汚れ仕事の遂行に役立っていたのだ。

ドゥールにとって1つの転機となったのは、ハン・ソロへの裏切りだった。ジャバ・ザ・ハットのためにスパイス密輸の仕事を請け負っていたソロは、ドゥールの本当の手口に気づくことになる。ジャバは既にスパイスの代金としてドゥールに12,400クレジットを支払っていたが、ドゥールは関税を取り立てる帝国の役人(彼らもまたドゥールにクレジットを渡していた)に、<ミレニアム・ファルコン>の通るルートを密かに通報していたのだ。検問に気づいたソロは<ファルコン>に乗り込まれる前に積み荷を船外へ放棄するが、後で回収しようと戻ってきたときには積み荷はどこかへ消えてしまっていた。その後、ジャバはソロの首に賞金を賭け、同様にドゥールに対する疑念も解消させるべく賞金稼ぎを送り込む。ドゥールはジャバの殺し屋たちを前に必死に命乞いし、スキンクスネクスが救援に駆けつけたときには、何とか片目を差し出すだけで勘弁してもらったところだった。それ以来、彼は片目に機械で作られた義眼をはめるようになる。

やがてエンドアの戦いによって銀河内乱が一時的な終息を迎えると、ドゥールはその後の混乱に乗じてケッセルのスパイス密輸組織を完全に掌握し、刑務所長をはじめとするライバルたちを次々と抹殺していった。そしてエンドアの戦いから7年後、外交任務を帯びたハン・ソロとチューバッカがケッセルへと戻ってくる。彼らを信用しないドゥールは2人を人里離れたスパイス鉱山で奴隷として働かせたが、ソロとチューバッカはそこでフォースに敏感な少年キップ・デュロンと出会うのだった。そして新共和国がソロとチューバッカの捜索を開始すると、ドゥールは2人の処刑を考える。しかし、2人を連れに向かったスキンクスネクスが鉱山でグリッタースティムを産み出す巨大なエネルギー・スパイダーに殺されてしまい、ハン、チューバッカ、キップの3人はこの機に逃亡を図るのだった。その後、モー研究所の帝国軍を巻き込んだ大規模な宇宙戦が勃発し、ドゥールはケッセルの護衛艦隊の大半を失ってしまう。惑星上の施設も激しく破壊され、彼はケッセルの刑務所へと逃げ帰るのだった。結局、ドゥールは新共和国軍、彼を裏切った密輸業者たち、そして奴隷にされていた彼自身の子供たちに追われる身となり、鉱山の奥へと逃走を余儀なくされる。そこでドゥールが最後に見たものは、おぞましい姿をした巨大なエネルギー・スパイダーだった。これは数え切れないほどの殺人を繰り返してきたドゥールにとって、まさに相応しい最期と言えるだろう。

ニル・スパー Nil Spaar

種族:
イェヴェサ
出身:
ヌゾス
職業:
ダスカン連盟総督
性別:
身長:
1.95メートル
愛機:
スーパー級スター・デストロイヤー<プライド・オブ・イェヴェサ>

Nil Spaar

冷酷非情なイェヴェサのニル・スパーは、銀河内乱の間、帝国軍のブラック15として知られる造船施設で同種族の労働者たちを管理する作業に従事させられていた。だがその間も、彼は帝国軍兵士たちを出し抜いて造船所をイェヴェサの支配下に置くことを目論んでおり、ジアン・パレット中佐の下で辛抱強く好機を伺っていたのである。そしてエンドアの戦いの8ヵ月後、敗退した帝国軍はブラック15の放棄を決定し、駐留していたブラック・ソード部隊にも造船所からの速やかな撤退と艦船の破壊が命じられた。そのときスパーはパレットが命令を受けたのとほぼ同時にこの内容を入手し、入念に準備していた計画を実行に移したのだった。

ブラック15で強制労働に従事していたイェヴェサたちは、静かに帝国軍艦船に関する技術的知識を学んでいたのである。撤退の最中にスター・デストロイヤーの制御を奪い、ブラック・ソード部隊のすべてを手に入れることも、彼らにとっては造作もないことだった。イェヴェサたちは地上から撤退してきた帝国軍のシャトルを次々と破壊し、大規模な虐殺を行う。そして反乱の首謀者であるニル・スパーはパレット中佐を処刑し、スーパー級スター・デストロイヤー<インティミデイター>の指揮権を掌握したのだった。彼らは船の修理のため故郷クアノッチ星団に引き上げ、次の攻撃計画の立案を開始したのである。

そして12年後、イェヴェサの間で「大粛清」と呼ばれる計画の第2段階が開始された。極度なまでの排他的思想を持つイェヴェサは他種族を「害獣」として徹底的に忌み嫌い、銀河系から彼らを一掃しようと決意する。イェヴェサの偉大なる指導者となったスパーは、新たに自分たちの植民地を建設する場所を探し始め、クアノッチ星団にあるニュー・ブリギアとポルナイの居住地区に対して総攻撃を開始した。彼らは戦略的に需要となる鉱山やビジネス拠点を無傷のまま残し、他種族の住民たちを皆殺しにしたのである。

同時にスパーは新共和国への宣戦布告をも計画していた。彼はレイア・オーガナ・ソロ元首と、新共和国とダスカン連盟の相互関係について議論を行うべく、コルサントを訪れる。しかし、スパーはレイアの政府の弱点を探りつつ、同盟関係の締結を慎重に回避し続けた。彼はレイアの理想に反対を唱える新共和国の元老院議員たちを懐柔し、彼らを通じて元老院に不穏な種を撒いたのだった。やがてレイアが失われたブラック・ソード部隊の謎について発見すると、スパーは再びイェヴェサに行動を呼びかけ、慎重にお膳立てした一連の出来事を自身の目的のために使用する。レイアがイェヴェサによる虐殺行為を非難すると、スパーは出来事を巧みに操り、あたかも彼女が侵略者で、自分が無実の犠牲者であるかのように訴えたのだった。だが、その間もクアノッチ星団では大粛清の波が広まっていたのである。

ニル・スパーは自身の仕事の成果を楽しむため、ダスカン連盟の主星ヌゾスに退き、同時に、自らの不朽の名声を保証すべく数人の女性を募って、多くの子供を産ませていた。そして彼は新共和国のホロネット通信網を使い、新共和国市民と元老院議員たちにレイアに対する中傷的告発を投げかける。さらに、スパーはパクワのブレザボス・オーン議員をスパイとして利用し、コルサントから新共和国における対イェヴェサ戦力に関する情報を随時入手していた。やがてクアノッチ星団に展開していた新共和国第5艦隊にハン・ソロが司令官として派遣されることが決定されると、スパーは素早くこの情報を入手し、シャトルの待ち伏せを命じてソロの拘束に成功する。彼はレイアを精神的に追い詰めるため、ソロを徹底的に痛めつけ、銀河中の晒し者にしたのだった。

また、副官タル・フランの助言を受け入れたスパーは、イェヴェサによって「浄化」された惑星から連行した囚人たちを<プライド・オブ・イェヴェサ>(これは元<インティミデイター>である)に配置する。彼は潔癖な囚人たちを新共和国軍からの攻撃に対する盾として利用したのである。この捕虜の中にはハン・ソロも含まれていた。だが、彼は<プライド>に潜入したチューバッカとその息子ランパワランプによって救出される。さらに救出作戦の間に、ウーキーたちはニル・スパーのマラ=ナス樽を多数破壊した。この一連の出来事に激怒したスパーは、愚かな行動へと突き進み、やがてこれはヌゾスの戦いにおける彼らの敗北へと繋がっていく。彼の知らぬ間に、捕虜となっていた元ブラック・ソード部隊の帝国軍兵士たちも隆起していたのだ。シル・ソラナン率いる帝国軍は、ヌゾスの戦いの最中に<プライド>を含むイェヴェサの戦艦数隻の制御を行った。ブラック・ソード部隊のスター・デストロイヤーには従属装置が装備されており、<インティミデイター>の制御が行えれば、全艦を操ることができたのである。スター・デストロイヤーの逃走によってイェヴェサ軍は総崩れとなり、新共和国軍の前に敗北を喫したのだった。

ソラナンは<インティミデイター>の艦橋でスパーを捕らえたが、すぐには処刑しなかった。彼はこのイェヴェサの指導者に同胞たちが受けたのと同じ苦しみを味わわせようと考え、かつて自分が研究していた際に発見した処刑法を使用する。<インティミデイター>が帝国の中枢惑星ビィスに向けてハイパースペースに突入した後、彼はスパーを脱出ポッドに乗せてハイパースペース中に放出したのである。ソラナンの研究結果によれば、ハイパースペース中に放出された物体は二度とリアルスペースに戻ることができないのだ。そしてニル・スパーも、その後二度と姿を現していない。

スラッカン・サル=ソロ Thrackan Sal-Solo

種族:
人間
出身:
コレリア
職業:
ヒューマン・リーグ指導者、ディクタート、イリーシア大統領、ピース・ブリゲイド最高司令官
性別:
身長:
1.8メートル
愛機:
不明

Thrackan Sal-Solo

ハン・ソロの父の姉の息子にあたる従兄弟、スラッカン・サル=ソロは、見た目も声もハンにとてもよく似たコレリアンである。実際、外見上のわずかな違いと言えば、スラッカンの方がやや肉付きがよく、髪や顎鬚に白髪が多いという程度でしかない。だが、その性格は正反対であり、スラッカンは冷酷で非情の男として知られている。子供の頃、彼はハンを頻繁に虐待し、ハンがある程度の年齢に達すると彼を密輸業者ギャリス・シュライクに売り渡したのだった。そして帝国の時代になると、スラッカンは帝国軍の高級将校を自称するようになるが、実際にはコレリアの帝国軍総督に雇われた使用人でしかなかった。彼はいつか帝国アカデミーに入学することを夢見ていたが、ハンが軍籍を剥奪された事件によって、同じソロの名を持つスラッカンにもペナルティが与えられており、決して夢がかなうことはなかったのである。それでも彼は望みを捨てず、やがてディクタートの死亡が推定されると、その地位を法的に相続することに成功する。これはちょうど、ハン・ソロが密輸業者になったころのことだった。

しかし、スラッカンは地下組織に潜り、帝国が強要する種族共存状態からのコレリアン・セクターの脱退を画策し始める。やがて新共和国の時代となっても彼は姿を隠し続け、人間至上主義の第一段階としてヒューマン・リーグを組織した。スラッカンはこの組織の影の首謀者となり、コレリアン通商サミットの直前にセクター内で種族間抗争を引き起すと、その直後に隠れ家から姿を現したのだった。彼はサミットに出席するためコレリアン・セクターを訪問していた新共和国のレイア・オーガナ・ソロ元首を監禁し、同セクターの新共和国からの脱退を訴えると、自らをディクタートと宣言する。そして、スラッカンは要求を受け入れなければ新共和国の星系を1つずつ破壊すると宣告したのだった。やがて予告された時が訪れ、スター・バスター計画のリストの2番目に位置していたサンタ・ジルブラが予告どおりに破壊される。実際に1番目に記載されていた星も爆破されており、謎の超兵器の存在は疑いようのない事実となったのである。

ヒューマン・リーグは自分たちでも理解できないテクノロジーを使って、コレリアン星系の周囲にセンターポイント・ステーションを中心とする強大なインターディクション・フィールドを形成し、星系を外界から封鎖した。また、新共和国からの分離、そして星系内での種族間抗争による混乱の中で、スラッカンは従兄弟のハンを捕らえることに成功し、彼を人質とすることでレイアを意のままに動かそうと試みる。彼は酒に酔った勢いでハンに頻繁に熱弁を振るい、ただ楽しむために彼をセロニアンと戦わせたりもしていた。しかし、スラッカンにとってそれが裏目に出る結果となる。ハンは対戦相手にさせられたセロニアンのドラクマスへの協力を約束し、2人で脱出することに成功したのである。

ハンとドラクマスが脱走した直後に、バクラ軍の支援を受けた新共和国軍による攻撃が開始される。彼らはバクラ軍の新技術によってインターディクション・フィールド内に侵入することができたのだ。計画が脆くも崩れ去ることを感じたスラッカンは、ハンとレイアの3人の子供たち、ジェイセン、ジェイナ、アナキンの誘拐を命じるが、この思惑はチューバッカ、子供たちの家庭教師に雇われていたドロールのエブリヒム、そして彼の伯母マーチャ公爵夫人によって阻止される。そして彼らはドロールでコレリアン星系の5つの惑星にそれぞれ隠されたプラネタリー・リパルサーを発見したのだった。だが、アナキン・ソロが好奇心からこの古代の装置を起動してしまい、プラネタリー・リパルサーの存在はスラッカンの知るところとなる。結局、子供たちはヒューマン・リーグに捕らえられ、リパルサーも彼らの支配下に置かれてしまうのだった。

そのころ新共和国は星系を破壊する力を持った超兵器スターバスターの正体が、コレリアン星系の双子惑星タラスとトララスの間に位置するセンターポイント・ステーションであることを突き止めていた。この古代の宇宙ステーションはハイパースペースを通過する強力なリパルサー・ビームを発射することができるのだ。各惑星に配置されたプラネタリー・リパルサーはセンターポイント・ステーションを操作するための装置なのである。最初にこの兵器の存在に気づいたのはサコーリア星系を統治するサコーリアン・トライアドであり、彼らはスターバスター計画を武器として新共和国に対抗しようと目論んでいた。スラッカンもその協力者の1人だったが、やはりセンターポイント・ステーションの力によって作られたインターディション・フィールドを盾に、この計画を利用してコレリアの総督の座を手に入れようとしていたのだった。

やがて新共和国軍とサコーリアン・トライアドの艦隊との戦いが開始されると、ソロの子供たちは勇敢にも<ミレニアム・ファルコン>を飛ばして逃走する。それに気づいたスラッカンは彼らを追跡するが、バクラン艦隊の旗艦<イントルーダー>のトラクター・ビームに捕捉され、新共和国の捕虜となってしまう。最終的にコレリアン・セクターでの反乱はすべて鎮圧され、スラッカンは法廷で有罪判決を受けるのだった。

そして8年後、銀河系がユージャン・ヴォングによる侵略の危機に瀕していたとき、セロニアのドーサス・タル刑務所に服役していたスラッカンは、センターポイント・ステーションを再び起動したいという考古学者から釈放の機会を与えられる。この学者の正体はセンターポイント・ステーションがユージャン・ヴォングに対抗する武器となり得るかを調査するチームの一員だった。このときユージャン・ヴォングはフォンドアを攻撃しており、ヘイパン艦隊を援軍に得た新共和国軍がフォンドアの防衛に向かっていたのである。スラッカンとその部下たちは、この宇宙ステーションとの精神的繋がりを持つアナキン・ソロが操作を行うべきだと主張する。しかし、殺戮行為を非とするジェイセンの説得によってアナキンはそれを拒否し、スラッカンが自らプラネタリー・リパルサーを発射させることになった。その結果ビームは標的を大きく逸れ、ユージャン・ヴォングもろとも味方であるヘイパン艦隊の大半と、フォンドアの地表の一部を焼き払ってしまったのである。ヘイピーズ連合王国はこの惨事に対して政治的非難を浴びせたが、スラッカンは残虐なエイリアンに大きなダメージを与えた英雄として賞賛されることになるのだった。

その後、マーチャ総督をコレリアから追放したスラッカンは、自分こそがコレリアン・セクターを独立した存在へと導く有力な候補者であると自負するようになる。数々の悲劇を生み出したものの、彼は過去の功績によってセクター内で英雄としての名声を得ており、次期総督を選出する選挙へ立候補したのだった。彼はセンターポイント党の実権を握り、ユージャン・ヴォングや新共和国がこのセクターを汚さぬよう努力するべく、セクター内における保安施策を強化した。しかし、ユージャン・ヴォングの攻撃によってコルサントが陥落すると、スラッカンは侵略者たちと友好条約を調印し、コレリアン・セクターの中立を認めさせたのだった。だが、ユージャン・ヴォングの最高大君主シムラはスラッカンをコレリアに帰還させず、彼をイリーシアの大統領およびピース・ブリゲイドの最高司令官に任命する。その後、不運にも彼はイリーシアで新共和国に捕らえられ、そこでセンターポイント党が彼のコレリアン・セクターからの追放を決定したことを知らされる。新共和国に逮捕されたスラッカンは後に身柄をコレリアに引き渡され、再び反逆者として裁判を受けることになるのだった。

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