キャラクター・ガイド / シス

ダース・シディアス Darth Sidious

種族:
人間
出身:
ナブー
職業:
シスの暗黒卿
性別:
身長:
1.78メートル
愛機:
不明

Darth Sidious

謎に包まれたシス卿ダース・シディアスは、秘密のカーテンの裏に潜み、共和国の終焉をもたらす数々の出来事を操っている。

シスは1,000年もの間、絶滅したと考えられていたが、シディアスとその弟子である戦慄の戦士、ダース・モールの2人が密かに生き延びていた。共和国が内部からの腐敗によって衰えていくなか、彼らは闇に潜んでいることに満足していたのだ。その間、シディアスは銀河系にシスの恐怖を復活させ、ジェダイ・オーダーを壊滅させるために、何十年にもわたって入念な計画を練っていた。彼らはジェダイ聖堂のあるコルサントで活動していたが、ダークサイドが持つ掴みにくい性質と、自身の神秘的な幻術によって正体を隠し続けていたのである。

また、シディアスはテクノロジーへの関心が強く、クローキング装置を搭載したシス・インフィルトレーター、高速襲撃用の改良型スピーダー・バイク、追跡任務に役立つ一連の洗練されたプローブ・ドロイドなど、モールにも様々なハイテク装備を積極的に与えていた。

シディアスの計画は極めて複雑であり、無意識に動いてくれる手駒がその計画に気づいたり、あるいは干渉したりすることを決して許さない。その点でダース・モールは優れた道具だった。彼はシディアスの真の計画に対するあらゆる障害を排除するため、密かな暗殺者として銀河系の各地に派遣されていたのである。最終目標を実現させるため、シディアスはモールに、銀河系で最大の犯罪シンジケートであるブラック・サンを攻撃させた。シス卿は周到に準備した計画を、彼らに台無しにされることを懸念していたのである。

やがて共和国元老院が辺境の貿易航路への課税を決定すると、シディアスはそれに反対するニモイディアンたちに取引きを持ちかけ、彼らを裏で操るようになった。そのときも彼は決してニモイディアンと直接接触するようなことはせず、常にホログラム通信機を通じて連絡を入れていたのだった。暗黒のローブ姿と不明瞭な長距離通信によって、彼は自分の居場所とその正体に関する秘密を保持していたのである。

通商連合によるナブーの武力封鎖が開始され、元老院が調停のためジェダイの特使を派遣すると、彼はニモイディアンに特使の抹殺を命令する。しかし、彼らはこれに失敗し、シディアスは弟子のモールを投入してクワイ=ガン・ジンの抹殺に成功したのだった。

シディアスはその後のナブーの戦いでモールを失うが、この一連の計画での最大の目的は達成されていた。シディアスの真の目的はヴァローラム元老院議長を失脚させ、パルパティーンを新議長に就任させることだったのだ。彼にとってはモールも通商連合も、そのための道具に過ぎなかった。そのときジェダイ・オーダーはシディアスの正体はおろか、その存在に関する手掛かりさえ、何一つとして掴んでいなかったのである。

Darth Sidious

弟子を失ったシディアスの次の策略は、新しい弟子を育て上げることではなく、適当なジェダイの候補者を改宗させることに注力することだった。彼が目をつけた人物は、伝説的なジェダイ・マスターでありながら、オーダーのあり方に幻滅していたドゥークー伯爵である。シディアスは彼をダークサイドへと誘惑し、ダース・ティラナスを襲名させたのだった。モールとは異なり、ティラナス卿はシディアスの目的を満たすための更なる策略と手腕を持ち合わせていたのである。

ダース・ティラナスは、共和国を分裂させ、政治的緊張の時代をもたらす分離主義運動を先導した。同時に、彼はシディアスによる共和国崩壊の計画に役立つであろう秘密のクローン軍の製造について調査を開始する。そして機が熟すると、ドゥークー伯爵は共和国に自治権を要求する反体制軍事組織、独立星系連合の指導者として出現した。シディアスの計画は共和国からの独立を望む有力企業からテクノロジーと資金を吸い上げ、共和国のクローン軍と激突させることによって、双方を壊滅状態に追い込むことだったのだ。共和国はシスの思惑通りにクローン軍を発見し、連合側に応答する形で大規模な抗争が開始された。クローン大戦が勃発したのである。

クローン大戦の間、パルパティーン最高議長は銀河系の保安維持を名目に、次々と政治的権力を増強させていく。シディアスはこの成り行きを喜んでいた。なぜなら、彼こそがパルパティーンの正体であり、彼はこの事実を数十年にわたって銀河系から厳重に隠し通していたのである。

彼の正体は、究極のシス・アプレンティスの探索の中で明らかにされた。何年にもわたってアナキン・スカイウォーカーを注意深く観察していたシディアスは、シスの原理の上に成り立つ新たなる社会の展望を実現するにあたって、彼こそが理想的なシスになり得ると考えていたのだ。パルパティーンとして、彼はこの若きジェダイの戦士の親友かつ父親的存在となり、親密な関係を築き上げていった。彼はしばしば無限とも思える力と能力を意のままに操り、この青年を混乱させていたのである。やがて、シディアスによる真綿のような助言は、厳格なジェダイ規範の主義と束縛から、アナキンを解放することになった。スカイウォーカーはパルパティーンを完全に信用し、この好意的な政治家こそが自分に最高の利益を与えてくれると信じるようになったのだ。

Darth Sidious

シディアスはアナキンのダークサイドへの転落を周到に計画していた。まず、彼はアナキンの気力をテストするため、独立星系連合の部下によるパルパティーン議長の誘拐劇を演出する。議長救出任務の間、アナキンはダース・ティラナスとの対決を迎えた。2人は戦い、パルパティーンが扇動するなか、アナキンはシス卿を殺害する。アナキンは十分な力量を持っており、それを使える状態にあることが分かった。シディアスはこの結果を大いに喜ぶ。アナキンは彼のものとなるのだ。

主要なジェダイ・マスターたちが連合軍の軍事司令官、グリーヴァス将軍の追跡に全力を挙げているなか、シディアスはアナキンに対するさらなる罠を用意していた。スカイウォーカーは愛する妻パドメが出産中に死ぬという予知夢に悩んでいたのである。この予言のことを知ったパルパティーンは、アナキンに神秘的なシスの知識の存在を暴露する。それには、人々を死から救う力の謎が含まれていたのだ。

やがて、ついにジェダイはパルパティーンがシスであることを突き止め、議長との対決に向かう。すると、シディアスは隠し持っていたライトセイバーを掴み、目もくらむほどのスピードで襲い掛かってきた。彼はメイス・ウィンドゥが議長逮捕のために召集したジェダイ・マスター全員を瞬間的に殺害したのである。さらに、アナキンの加勢によって、シディアスはメイスを打ち破ることができた。しかし、彼はダークサイドの電撃が反射したエネルギーを浴びたため、顔に深い傷を負ってしまう。この醜悪な顔を隠すため、シディアスはシンプルなシスのローブ姿に戻ったのだった。

シディアスはダークサイドに堕ちたアナキンを新しい弟子とした。彼はアナキンをダース・ヴェイダーと改名し、ジェダイ聖堂を襲撃させるために送り込む。続いて、彼はパルパティーン議長としての権限を行使し、銀河系に分散したクローン・コマンダーたちにオーダー66の実行を命令した。これはすべてのジェダイが共和国に対する反逆者であると告げる秘密の指令である。忠実なクローン・トルーパーたちは何の疑いも抱かずに、冷静にジェダイの将軍たちを処刑していくのだった。

その後、シディアスは元老院で特別議会を開催し、醜悪に変化した自身の顔が、反逆者のジェダイによるものだと断罪する。そして力強い演説が終わると、彼を支持する熱烈な愛国者たちから万雷の拍手が湧き上がり、共和国は終焉を迎えたのだった。シディアスは初の銀河帝国の誕生を宣言し、新秩序を公布する。彼は銀河系の最高権力者、パルパティーン皇帝となったのだ。

ダース・モール Darth Maul

種族:
ザブラク
出身:
イリドニア
職業:
シスの暗黒卿
性別:
身長:
1.75メートル
愛機:
シス・インフィルトレーター<シミター>、シス・スピーダー<ブラッドフィン>

Darth Maul

ダース・モールの謎に包まれた過去についてはほとんど何も知られていない。ただ1つ明らかなことは、彼がダース・シディアスの下で厳しい修行を積み、両刃のライトセイバーを使った難解なシスの戦闘術を習得したということだけである。彼こそはジェダイ・オーダーに対するシスの勝利を保証するため、ダークサイドの憎悪のエネルギーによって鍛えられた究極の武器なのである。

故郷イリドニアで孤児だったモールは、いつの日かシディアスに見出され、幼い頃から彼の武器となるべく厳しい修行を与えられていた。彼の師に対する絶対的な忠誠心は、全身に施された難解なシスの刺青による苦痛に耐えていることからも明らかである。彼にはシディアスへの忠誠以外には何の個性もなく、その目的はシディアスの命令に従い、シスの悲願でもあるジェダイへの復讐を果たすことだけだった。事実、彼は師の命令で様々な任務を遂行してきている。

モールが最初に与えられた最もやり甲斐のある仕事は、銀河系最大の犯罪組織ブラック・サンに打撃を与えることだった。シディアスはやがて自らが銀河系を征服した際に、広域な影響力を持つブラック・サンが重大な障害として立ちはだかることを懸念していたのだ。モールは闇の暗殺者としてブラック・サンの幹部たちを襲撃し、多くの実力者を葬り去った。こうして巨大犯罪シンジケートは再び立ち上がるために多くの年月を必要とするほどのダメージを受けたのである。

次の任務はニモイディアンの危険な裏切り行為によってもたらされた。邪悪な野望の第一段階としてナブー侵略を企てていたシディアスは通商連合に協力を取り付けたが、ニモイディアンの副総督ハス・モンチャーがこの情報を莫大なクレジットに変えようと目論んだのである。このときシスはまだこの計画を表沙汰にするわけにはいかなかった。シディアスはモールにモンチャーの追跡と、この情報を知ってしまった不運な者たち全員の抹殺を命じたのである。

モンチャーはナブー侵略計画の情報が記録されたシス・ホロクロンをブラック・サンに売り込もうと考え、仲介役として接触した情報ブローカーのローン・パヴァーンにすべてを話す。モンチャーを発見したモールは彼を簡単に抹殺すると、ローンの追跡を開始した。そして彼はローンとブラック・サンとの取引現場に乱入し、犯罪組織の生き残りをことごとく殺害したのである。しかし、ローンはホロクロンを奪取し、この修羅場を逃れることに成功する。やがてモールの激しい追跡劇は、偶然にもジェダイの師弟の目を引くことになった。ライトセイバーの達人として名高いトゥイレックのジェダイ・マスター、アヌーン・ボンダーラと、そのパダワン、ダーシャ・アサントである。2人は追跡現場から強力なダークサイドのフォースを感じとり、シスの存在を確信した。まずボンダーラが単身でモールに挑むが、ジェダイ・マスターといえども殺戮マシンと化したモールの敵ではなかった。壮絶なライトセイバー戦の末、勝ち目がないと悟ったボンダーラは、次にシスの脅威に直面するであろう弟子を守るため、モールと共に自爆を決意する。こうしてマスター・ボンダーラはこの世を去るが、モールは辛くも生き延びたのだった。

Darth Maul

ローンとダーシャはシス・ホロクロンをジェダイ聖堂に持ち帰るべく、必死の逃走を開始する。モールも2人を追跡するためコルサントの危険な地下迷宮へと足を踏み込んでいった。途中で巨大都市の地底に潜む伝説の怪物と遭遇しつつも、ついに2人を追い詰めたモールはダーシャとの死闘を演じ、なんとか彼女を撃破する。ダーシャは最期の瞬間に師と同じく燃料容器をライトセイバーで斬り付け、自爆した。そして、モールはそのときローンも爆発に巻き込まれて死んだと確信したのだった。しかし、彼はダーシャによってカーボナイト冷凍にされていたため、生き延びていたのである。完全にモールを出し抜いたローンは彼を追跡し、この邪悪なシス卿を不意打ちによって気絶させることに成功する。そして彼はホロクロンを善良な議員として名高いパルパティーンに託したのだった。ローンはこれですべてが解決したと考えていた。しかし、病院で目が覚めたとき、彼の前に現れたのは怒りをあらわにした邪悪なシス卿ダース・モールだったのだ。モールは自分をここまで出し抜いた勇者に敬意を表し、一瞬で苦痛を与える間もなくローンを始末したのだった。

やがて通商連合によるナブー侵略計画が開始されると、クワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービを抹殺し、アミダラ女王を捕らえるため、シディアスはついにモールを表舞台に登場させた。このときを待ちわびていたモールも、ついにその容赦ない敵意を剥き出しにしたのである。インフィルトレーターでタトゥイーンに到着した彼は、シスのプローブ・ドロイドを使ってクワイ=ガンを捜索し、彼を襲撃する。モールはここでクワイ=ガンを取り逃がしてしまうが、ナブーで再び彼とその弟子、オビ=ワンと対決することになる。邪悪なフォースと一体になったモールは荒々しい攻撃と防御のバランスを慎重に組み合わせ、クワイ=ガンを打ち負かしたのだった。

しかしその直後、モールはオビ=ワンに痛恨の不覚を喫することになる。一度はその若いジェダイに勝利したと思われたが、フォースの力を手にしたオビ=ワンは、シスの戦士に打ち勝ったのである。自分のライトセイバーを失ったオビ=ワンは、底無しの溶解ピットの淵にぶら下がった状態になってしまうが、フォースを使ってクワイ=ガンのライトセイバーを呼び寄せた。この行動はモールの不意をつき、この瞬間が彼にとっての敗北の瞬間となる。彼の体は真っ二つにされ、溶解ピットに落ちていった。

有能な武器だったモールの死はシディアスにとっても痛手であったが、彼はほどなく次の弟子を取ることになるだろう。彼にとっては、所詮モールも持ち駒の1つでしかなかったのである。

ダース・ティラナス Darth Tyranus

種族:
人間
出身:
セレノ
職業:
シスの暗黒卿
性別:
身長:
1.93メートル
愛機:
ジオノーシアン・スピーダー、ジオノーシアン・ソーラー・セーラー

Darth Tyranus

ドゥークー伯爵はおよそ80年にわたってフォースの道を学び、銀河系で最も強力なジェダイ・マスターの1人としてその名を馳せていた。だが、彼の最終的な忠誠はジェダイ・オーダーの構造化された規範ではなく、むしろ彼自身の直感や理想に対して捧げられることになる。彼の強い独立心は多くの人々に影響を及ぼし、良き指導者であったヨーダでさえ、彼を御するのに苦悩したのだった。

こうした頑固さに反して、ジェダイ・アーカイブはドゥークーを恐るべきジェダイとして記録している。彼は銀河に散在する惑星で無数の紛争を解決しており、古式に則ったライトセイバー戦においても強力無比の存在だった。また、ドゥークーは注目すべき個性と血統を持ちあわせている。セレノの伯爵としての生得権は彼に信じられないほどの富を与え、彼はそれを分離主義指導者としての政治資金に流用していたのである。

ジェダイ・オーダーから離反した後、ドゥークーは何年もの間姿を消していた。その後彼が最初に姿を表したのはラクサス・プライムである。ドゥークーはそこで、元老院とジェダイ・オーダーが共和国のモラルと理想の明白な侵食を傍観しているとして痛烈に批判した。そのとき以来、彼の活動拠点は惑星から惑星へと移動するようになる。彼は分裂を扇動し、急速に団結しつつある分離主義運動を指揮していたのだ。

ドゥークーがフォースのダークサイドに身を任せるようになったのもちょうどそのときだったが、その事実はまだ知られていなかった。しかし、彼は明らかに過去の禁じられた知識を実践していたのだ。事実、ドゥークーがジェダイ・アーカイブに保管されている暗黒のホロクロンを通じてシスの教義を研究していたという噂もよく聞かれる。

ドゥークー伯爵、いまやダース・ティラナスは、クローン大戦を実現させるのに十分なシスの古代教義を手に入れていた。この戦争における彼の最初の任務は、共和国とジェダイ・オーダーの力に対して古代シスの武器を解き放つことだったのだ。

ダース・ヴェイダー Darth Vader

種族:
人間
出身:
タトゥイーン
職業:
シスの暗黒卿
性別:
身長:
2.02メートル
愛機:
専用TIEファイター、インペリアル級スター・デストロイヤー<デヴァステーター>、スーパー級スター・デストロイヤー<エグゼキューター>

Darth Vader

シスの暗黒卿ダース・ヴェイダーはジェダイ・オーダーがもたらした禍だった。彼はフォースのダークサイドのマスターであり、そしてパルパティーン皇帝の最も信頼厚い従者の1人でもある。しかし、ヴェイダーは生まれながらにして邪悪の化身だったわけではない。彼はアナキン・スカイウォーカーと呼ばれる、パイロットとしての資質と強いフォースを併せ持ったタトゥイーンの奴隷として人生を歩み始めたのだ。

かつてジェダイ・オーダーのなかでも反逆児とされるクワイ=ガン・ジンによって見出されたアナキンは、コルサントのジェダイ評議会の前に連れられていった。彼にジェダイの道を歩ませたかったクワイ=ガンは、アナキンが古代の予言にある「選ばれし者」であると頑固に主張する。しかし、評議会はアナキンが修行を開始するには歳を取りすぎているとし、パダワンになることを禁止するのだった。

最終的にこの決定は覆され、アナキンはジェダイ・ナイトとしての訓練を開始することになる。しかし、クワイ=ガンはナブーの戦いの際に謎のシス卿によって殺害されており、彼はクワイ=ガンの弟子、オビ=ワンのパダワンとなった。オビ=ワンは自分がヨーダのような熟練したマスターになれると考えていたが、彼の過ちは銀河系に恐ろしい結果をもたらすことになる。

スカイウォーカーはフォースのダークサイドに魅了されてしまったのだ。彼の無限の能力が自尊心を高揚させ、堕落を急がせたのである。彼はジェダイ規範の厳格な取り決めに苛立ちを見せるようになり、自分の願望を満たすべく、ジェダイの教えから少しずつ足を踏み外していった。やがて、アナキンは禁じられた行為であるにも関わらず、愛するパドメ・アミダラと秘密の結婚をしてしまう。このときから、彼女の身の安全はアナキンにとって最大の心配事となった。そして、それは同時に彼の最大の弱点であり、シス卿ダース・シディアスに付け入る隙を与える結果となるのだった。

スカイウォーカーは妻が出産で死亡するという予知夢に悩まされていた。そのとき、彼の友人であり良き理解者でもあるパルパティーン議長は、悩める若きジェダイに対し、シスの教義に不老不死へ至る道が存在すると告げる。さらに、パルパティーンは自らが闇のシス卿ダース・シディアスであると告白し、巧みな話術と賞賛、そして陰謀によって、アナキンの能力を闇に転向させたのだった。ジェダイの力と意図に疑いを抱いていたアナキンは、ますますダークサイドへと傾倒していった。そして重大な決断を強いられたとき、彼はついにシディアスの教えに従うことを受け入れ、ダーク・マスターの前に跪いたのである。

アナキンはダース・ヴェイダーと改名させられた。1,000年にわたって共和国の影でうごめいていたシスの陰謀が、突如として動き出したのである。パルパティーンは自らを皇帝と僭称し、ヴェイダーを究極の執行者として送り込んだ。ヴェイダーはその比類なきフォース能力によってジェダイ聖堂を急襲する。彼はエリート・クローン・トルーパーの一団を率いて磨き上げられた回廊を進み、コルサントに残っていたジェダイを一人残らず始末したのである。

Darth Vader

続いて、ヴェイダーはムスタファーの秘密基地に隠れていた独立星系連合の幹部たちを全員虐殺し、クローン大戦に終わりをもたらした。彼は歪められた認識によって、共和国末期の腐敗と混沌を一掃し、新たなる帝国に平和と秩序をもたらしたのである。

そのころ、彼の妻パドメ・アミダラも、夫をダークサイドから抜け出すよう説得するため、彼を追ってムスタファーに向かっていた。しかし、オビ=ワンが彼女の船に乗っていたことを知ったヴェイダーは、激しい怒りをあらわにする。彼はすべてが自分を裏切っていると考えたのだ。取り乱したヴェイダーはパドメに手を伸ばし、フォースで彼女の喉を締め付ける。彼女は空気を求めて喘ぎ、ムスタファーの離着床プラットフォームで気を失った。かつての教え子の堕落にショックを受けたオビ=ワンは、ヴェイダーを倒すことで、シスの邪悪な野望を阻止すると誓う。こうして、2人の英雄は溶岩の燃えるムスタファーで、激しいライトセイバー戦を繰り広げることになるのだった。

フォースのダークサイドによって未知の力を手にしたヴェイダーだったが、ムスタファーの死闘では完全な敗北を喫し、重傷を負ってしまう。オビ=ワンの光刃が彼の両足と左手を切断し、四肢を失った肉体もムスタファーの炎によって焼かれたのだった。だが、彼は激しい怒りと憎悪によって生き延び、肉体的な損傷だけでなく、裏切りによって心にも永遠に残る傷を負うことになる。ヴェイダーはかつての自分を完全に放棄した。そして、弟子を救助するために現れたシディアスは、治療のため、彼をコルサントの帝国リハビリテーション・センターへと連れて行く。そこで、ヴェイダーは金属と肉体が融合したサイボーグとして、完全な変化を遂げた。彼はもはやアナキン・スカイウォーカーではなく、ダース・ヴェイダーだったのだ。

この変化がなされたとき、ヴェイダーは自分に双子の子供がいることを知らなかった。スカイウォーカーの血を引く子供たちは、ジェダイにとっても、シスにとっても、有望な後継者となるだろう。彼らに希望を託すオビ=ワンは、ヴェイダーとパルパティーン皇帝から子供たちを隠し、やがてタトゥイーンでアナキンの息子、ルーク・スカイウォーカーにジェダイの修行を与えることになる。一方、妹のレイアはオルデランの総督兼議長であるベイル・オーガナに養女として預けられていた。

Darth Vader

パルパティーンの権力の拡大によってもたらされた混沌のなか、ヴェイダーは帝国内で皇帝に次ぐ実力者として君臨するようになる。皇帝によってジェダイ・オーダーの生存者を見つけ出し、抹殺することを命じられた彼は、この暗黒の時代に次々とかつての同胞を殺害していく。やがて銀河系はフォースのダークサイドによって支配されるようになるのだった。

皇帝が究極兵器デス・スターを建造したとき、運命はスカイウォーカー親子、そしてかつての師弟を引き合わせる。意図せずデス・スターに捕らえられてしまったオビ=ワンとルークらの一行は、囚人だった反乱軍のリーダー、レイア姫を救出するが、その直後にオビ=ワンとヴェイダーは再び対決を行うことになる。しかし、年老いたオビ=ワンはダークサイドを極めたヴェイダーに太刀打ちできず、彼はルークに希望を託して自ら弟子の刃にかかるのだった。このとき、ヴェイダーは近くに息子ルークがいることに気づかなかった。そして、レイアが娘であることには最後まで決して気づくことがないのだった。

Darth Vader

ヤヴィンの戦いでデス・スターを失った皇帝は、ヴェイダーを帝国軍の最高司令官に任命し、新秩序をより強固なものとしていった。やがて2人はこの戦いで反乱軍の英雄となったルークの存在を知ることになる。皇帝はヴェイダーにルークを捕らえ、自分に献上するよう命じるが、ヴェイダーは密かにルークを誘惑し、親子で銀河系に君臨しようと目論んでいた。ヴェイダーは若きスカイウォーカーの捜索に執念を燃やし、失敗した者はたとえ部下であっても容赦なく処刑していったのだ。

そして、ついにスカイウォーカー親子はベスピンのクラウド・シティで対面し、光刃を交えることになった。オビ=ワン亡き後、彼の助言に従ってヨーダの教えを受けたルークだったが、ヴェイダーは修行半ばである息子を圧倒し、ダークサイドへ誘い入れようと試みる。しかし、ルークはこれを拒否し、親子は再び離れ離れになるのだった。

ヴェイダーはその後もルークの捜索を続けたが、ベスピンでの失敗を皇帝に叱責され、プリンス・シーゾーという政敵に脅かされた彼は、徐々に心境の変化を現し始める。しかし、ヴェイダーのたどり着いた結論は、まだ皇帝から多くを学ばなければならないということだった。

ヴェイダーがルークとの再会を果たしたのはエンドアの戦いの前夜である。ヨーダの下での修行を終え、父を改心させることが最後の試練だと考えたルークは自ら帝国軍に投降し、ヴェイダーによって第2デス・スターで待つ皇帝の前に連れられていく。ルークは皇帝によって執拗に憎悪の感情を駆り立たされ、ついにヴェイダーとの再戦に挑むのだった。両者は互角の戦いを繰り広げ、その最中にヴェイダーはルークの心の中から自分の娘の存在を感じ取る。だがその直後、ルークはヴェイダーへの憎悪をあらわにし、彼を打ち破ったのである。

しかし、感情を制御する術を身に付けたルークは決してダークサイドを受け入れなかった。彼は皇帝の誘いを断り、それは皇帝の怒りを買うことになる。パルパティーンにとって、もはやルークは抹殺すべき障害でしかなかった。皇帝は圧倒的なダークサイドのフォースでルークを苦しめるが、このときのルークの叫びがヴェイダーを改心させる力となる。息子の苦境を前にアナキン・スカイウォーカーの心を取り戻したヴェイダーは、皇帝を第2デス・スターの反応炉へと続くシャフトに突き落とし、邪悪なシス・マスターを滅ぼした。このとき、およそ20年にわたって銀河を震撼させたダース・ヴェイダーも滅び、良きジェダイだったアナキン・スカイウォーカーが蘇ったのである。

ヴェイダーのマスクを外したアナキンは、自分の目で初めて成長した息子の姿を見る。だがこれは最初で最後の光景だった。息子の姿に満足したアナキンは、フォースのライトサイドに包まれ、静かに息を引き取る。そして、彼の遺体はルークの手によってエンドアに運ばれ、密かに火葬されるのだった。

Presented by じょじょ♪ <webmaster@starwars.jp>  (http://www.starwars.jp/