ナー・シャダー
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ナー・シャダーはナル・ハッタの最大の衛星である。より一般的には垂直都市、密輸業者の月、リトル・コルサントなどと呼ばれるこの衛星は、あらゆる点でコルサントと似ており、ヤヴィンの戦いの24,500年前から広がり始めた巨大な都市によって、地表全体が覆われていた。しかし、コルサントで比較的危険な場所は都市の下層部だけだが、ナー・シャダーは星全体が不潔で汚染されており、いたるとこで犯罪が横行していた。
解説
惑星ナル・ハッタを巡る最大の衛星ナー・シャダーは、エヴォカイたちの新しい故郷となっていた。ナー・シャダーの気候はハットにとってそれほど快適でなかったため、彼らはエヴォカイがこの衛星で平和に暮らすことを許可したのだという。エヴォカイたちには知られていないが、ハットの指導者が譲渡人を買収したからこそ、エヴォカイたちは下級労働者としてこの星系に残ることができたのだ。したがって、エヴォカイは自分たちの伝統的な生活スタイルを作り上げようと努力していたが、ナル・ハッタの経済力が発展するに連れて、ハットに次々とナー・シャダーの土地を奪われていった。当然、ハットは契約書の中に抜け道を用意しておいたので、この横暴も完全に合法的なものだったのである。ハットの産業はますます発展し、同時にエヴォカイたちはさらに食い物にされていった。ついに彼らは隠れた最下層トンネルや郊外での廃れた生活を強いられるようになってしまったのだ。
かつてこの星系は銀河系でも重要な宇宙港として栄えていた。ヤヴィンの戦いの数世紀前には、何重にも階層を組まれた垂直な都市が地上を覆い尽くしており、補給塔は軌道にまで達し、修理ドックや積荷ドックも地表から突き出していたのだ。こうした建造物の名残は帝国の時代になっても当時の面影をそのまま残している。一方で下層区画は次々と腐食していき、上層区画に移住する余裕のない人々は徐々に忘れられていった。だが、その中にはミュータントとなったエヴォカイの子孫も含まれている。
もちろん、銀河系の流行は時と共に変化し、ナー・シャダーもその例外ではない。かつてのナー・シャダーは産業と商業の活気溢れる大都市であり、豪華客船や大型貨物船、採掘船などが修理、補給、停泊などのために定期的に入港していたが、それももう大昔のことである。最後に行われた貿易航路の再編成によって合法的な利用客はほとんど離れてしまい、逆に犯罪者や奴隷商人、ドロイド、スパイス商人の巣くつとなってしまった。ナー・シャダーの栄光の日々は歴史の渦中に忘れ去られてしまったのである。
そして、ナー・シャダーは主要なハイパースペース航路や貿易航路から遠く離れており、まさに銀河系の経済発展の犠牲となっていた。しかし、当局の関心をできるだけ避けたい人々には絶好の隠れ家でもあり、実際にハットの犯罪組織などが本拠地を構えていても、まったく問題視されていなかった。かつて裕福な輝ける宝石と呼ばれていたナー・シャダーも、もはや銀河系の悪党たちが巣食う汚らわしい隠れ家でしかなくなってしまったのだった。
ナー・シャダーで行われていた事業で最も重要なものは密輸であり、そのことからもこの星はよく密輸業者の月と呼ばれていた。銀河系の商業の中心地からも遠いため、密輸業者の一団は帝国の星図にない場所で貨物輸送中継地点や輸送航路の網を選んでいたのだ。ここでは闇市場でスパイスから盗難宇宙船まで何でも手に入り、一日中何千もの船がそれぞれのドック区画へ向かって空を飛びまわっていた。それぞれの区画はパイロットや賞金稼ぎ、海賊など、あらゆる種類の人々にそれぞれ独自の反響を呼んでいた。