エンドアの戦い
エンドアの戦いは、ヤヴィンの戦いの4年後に反乱同盟軍と銀河帝国との間で争われた、銀河内乱で最大かつ最も重要な戦闘の1つである。この戦いによってパルパティーン皇帝とダース・ヴェイダーをはじめとする帝国の多くの指導者たちが死亡し、デス・スターIIが破壊された。すなわち帝国の衰退がはじまったのである。
帝国が森林衛星エンドアの軌道上で新しい[[デス・スター]を建造中であるという情報入手した反乱軍は、さっそく戦闘計画の立案に着手した。さらにスパイは反乱軍指導部に、デス・スターの防衛システムが未完成であるだけでなく、皇帝自身が超兵器建造の最終段階を監督するため、現地を訪れる予定であることを報告していた。帝国への決定的な打撃を与える好機と見た同盟軍は、この未完成の宇宙ステーションに対する攻撃を計画したのである。それは、反乱軍の一部がデス・スターを守るシールド・ジェネレーターを破壊するために衛星の地上で戦い、宇宙で戦うもう1つのグループが、シールドの消失と同時にエンドアの軌道上に浮かぶバトル・ステーションを攻撃するというものだった。だが、反乱軍はこれが罠であることに気付いていなかった。デス・スターは既に完成し、戦闘準備も整っており、パルパティーンは慎重に偽りの情報を漏らしていたのである。さらに皇帝は、同盟軍艦隊を待ち伏せし、到着と同時に壊滅させるため、スター・デストロイヤー艦隊を待機させていたのだった。
地上では、ハン・ソロ将軍率いる反乱軍の一団が、デス・スターを守るシールド発生装置を破壊するため帝国軍のストームトルーパーと戦った。一方宇宙では、ギアル・アクバー提督と、<ミレニアム・ファルコン>で彼を補佐するランド・カルリジアンに率いられた同盟軍艦隊が、帝国の宇宙部隊と戦い、バトル・ステーションを攻撃していた。だが、バトル・ステーションを防衛する大規模なスター・デストロイヤー艦隊の存在を盾に、帝国は宇宙における戦いで圧倒的優位を維持していたのである。帝国軍は数の上でも上回っていたが、パルパティーンはさらに戦闘瞑想によって反乱軍の攻撃を散発的なものとし、味方を支援していた。やがて、反乱軍はデス・スターの武器システムが既に稼働可能な状態であることを知り、自分たちが騙されていたことに気付く。だが気付いたときには既に遅く、反乱軍艦隊は(帝国の転覆を目論むIG-88Aによって密かに制御された)デス・スターIIのスーパーレーザーによって深刻な喪失に苦しんだのだった。一方、地上の奇襲部隊もシールドの遮断に苦戦していたが、彼らは原住民のイーウォックたちの協力を得ることで、戦いの流れを変えることに成功する。ハン・ソロはジェネレーターの制御バンカーに侵入し、爆弾を設置することによってそれを破壊することができたのだった。そしてソロのチームがシールド・ジェネレーターを破壊すると、カルリジアンとウェッジ・アンティリーズ率いる反乱軍の戦闘機中隊がデス・スターのリアクター・コアへの攻撃を開始した。またちょうど同じころ、バトル・ステーションの内部では、ダース・ヴェイダーが息子のルーク・スカイウォーカーをフォースのダークサイドに転向させるため、彼を皇帝に謁見させていたのだった。
スカイウォーカーは皇帝の玉座の間で父と対決し、怒りを利用して勝利を掴んだ。だが、スカイウォーカーは皇帝の臣下として服従することを拒み、ヴェイダーにとどめを刺すことを拒否する。するとシス卿はフォース・ライトニングを放ち、若きジェダイを拷問したのだった。だが、息子の死を直視できなかったヴェイダーがマスターを掴み、デス・スターのリアクター・シャフトに放り込むことで、彼を殺害したのである。自身の本当の姿を取り戻したヴェイダーは再びアナキン・スカイウォーカーとなり、選ばれし者の予言を成就させた。しかし、彼は皇帝のフォース・ライトニングによるダメージによって深刻なダメージを受けており、息子の見守る前で死亡したのだった。その直後、カルリジアンとアンティリーズがデス・スターのリアクター・コアを破壊し、内部のIG-88と帝国軍もろともバトル・ステーションのすべてを破壊する連鎖反応が開始された。反乱軍艦隊は爆発を逃れ、スカイウォーカーも間一髪で脱出に成功する。一方、デス・スターの破壊を目の当たりにし、既にパルパティーンの戦闘瞑想による支援も失っていた帝国軍は、退却を強いられたのだった。その後、[スカイウォーカーたちは[エンドア]]で自由を祝い、同時に他の多くの惑星で住人たちによる歓声が上がった。ウェッジ・アンティリーズをはじめとするこの戦いの英雄たちの多くは解放者として称えられ、その後の新共和国の樹立に尽力することになる。一方で、2人の主要な指導者を失った帝国は長い衰退期に入り、複数の大将軍たちが権力を求めて争いを開始したのだった。この戦いは戦争の終結こそ実現することはできなかったが、帝国の終焉の発端となり、さらにフォースのバランスの復活をもたらしたのである。
歴史
ホスの戦いでエコー基地を失った反乱同盟軍は、帝国軍の追跡を逃れるため銀河系に四散していた。一方、パルパティーン皇帝は惑星ヘフィに逃亡した帝国軍科学者ベヴェル・レメリスクを捕らえ、残虐な方法で処刑した後、彼のクローンにヤヴィンの戦いで破壊されたデス・スターの再建を命じたのだった。第2デス・スターは初代ステーションの弱点が改良されており、大きさも火力も前作を大きく上回る究極の宇宙要塞である。モフ・ジャジャーロッドの指揮のもと、森林衛星エンドアの軌道上で第2デス・スターの建造が開始されるが、皇帝はこの要塞の完成直前に反乱同盟軍を壊滅させようと考えていた。彼は新しい「道具」の1人、ブラック・サンの首領プリンス・シーゾーの進言に従い、第2デス・スター計画の情報を意図的に漏洩させたのである。シーゾーの目論みは反乱軍を罠に陥れ、エンドアで全滅させることだったのだ。
帝国軍の重要機密情報を入手したという知らせは、友人のハン・ソロを救出するため故郷タトゥイーンを訪れていたルーク・スカイウォーカーにも届いていた。彼は詳細を知るためボサンの植民惑星コスリスへ向かい、情報提供者のコス・メランと接触する。そしてボサンのスパイ網が入手した情報通りに帝国軍の貨物船が出現し、ルークもボサンの戦士たちと共に戦闘機で飛び立つのだった。この小規模な戦いで多くのボサンが犠牲となり、ルーク自身も死の危険に直面するが、反乱軍は第2デス・スターの情報を手に入れることに成功する。ルークはこの情報をボサンに託し、コルサントでのブラック・サンとの対決を経て、再びハンの救出へと向かうのだった。
皇帝とダース・ヴェイダーには反乱軍討伐の他にもう1つの目的があった。反乱軍と共にルークをエンドア星系に誘い出し、フォースのダークサイドに誘惑しようというのだ。皇帝は自ら建造工事の監督を行うべく第2デス・スターを訪れ、ヴェイダーにルークを捕らえるよう命じるのだった。また、ルークも無事にハンを救出し、ダゴバで死の床についたヨーダ、そして霊体となって現れたオビ=ワン・ケノービから、ヴェイダーが父親であること、さらにはレイアが双子の妹であるという衝撃の事実を聞かされる。彼は父をジェダイの道に引き戻すべく、決意を新たに仲間のもとへと戻っていくのだった。
そのころ、反乱同盟軍の艦隊はサラスト星系付近に集結していた。ボサンによってもたらされた情報によると、エンドア星系で建造中の第2デス・スターは衛星上の基地から発射される強力なシールドで完全な防御がなされているのだった。同盟軍司令官のアクバー提督はシールド発生装置を破壊する特殊部隊と、シールド消失後、建造中の宇宙要塞に突入して主反応炉を破壊する攻撃部隊の2チームを編成し、反乱の存亡を賭けた決戦を挑むことになる。森林衛星エンドアに潜入する特殊部隊の指揮官にはハン・ソロが将軍として抜擢され、デス・スターを攻撃する戦闘機部隊の指揮官にはランド・カルリジアンが同じく将軍として抜擢された。レイア、ルーク、チューバッカらはハンのチームに加わり、彼らは帝国軍から奪取したラムダ級シャトル<タイディリアム>でエンドアへと向かう。だが、ルークの存在はフォースを通じてヴェイダーの知るところとなっていた。ヴェイダーはパルパティーンに息子の到着を報告し、彼を捕らえるべく地上へと降りるのだった。
ルークらがエンドアで出会ったのは原始的な原住民のイーウォックたちだった。当初は好戦的な彼らだったが、黄金色に輝くC-3POを神であると誤解し、邪悪な帝国軍を故郷から追い出すため反乱軍への協力を申し出るのだった。そしてその夜、ルークはレイアにスカイウォーカー家の秘密をすべて告白すると、単身でヴェイダーの元へと投降する。彼はそのまま皇帝の面前へと連れて行かれ、この戦いがすべて皇帝の仕組んだ罠であることを知らされるのだった。
シールド発生装置のあるエンドアのバンカー基地には帝国軍の精鋭部隊1個師団が待ち構えていた。そのためソロ将軍率いる少数の反乱軍は侵入直後に捕らえられてしまう。一方、上空でもシールド消失を待たずに反乱軍艦隊が到着し、待ち受けていた大規模な帝国軍艦隊との交戦を開始する。第2デス・スターの新型スーパーレーザーは既に完成しており、圧倒的な火力で次々とモン・カラマリの戦艦が宇宙の塵と化していくのだった。アクバー提督はこの劣勢のなか撤退を決意するが、<ミレニアム・ファルコン>で出撃していたランドはそれに異を唱える。彼は同盟軍艦隊を帝国軍のスター・デストロイヤー艦隊の中に突入させ、敵艦をシールド代わりに使うという信じがたい戦法を進言したのだ。ランドはハンが必ずシールドを消してくれると信じていたのである。
そして、このときついにパルパティーンでさえ予知できなかった誤算が生じることになる。イーウォックが原始的な武器で帝国軍に攻撃を開始したのだ。帝国軍のAT-STやスピーダー・バイクなどのハイテク兵器はイーウォックの自然を利用した戦術に対処できず、もろくも崩れ去ったのである。ハンはバンカー基地を制圧し、シールド発生装置の破壊に成功した。上空で激しい戦闘を繰り広げていた艦隊もシールドの消失を察知し、ランドの<ファルコン>を筆頭に、ウェッジ・アンティリーズらが第2デス・スター内部へと侵入を開始するのだった。
そのころ、第2デス・スターの司令タワーでは、ルークとヴェイダーが皇帝の見守る前でライトセイバーによる死闘を繰り広げていた。ルークは父親にライトサイドへの改心を迫るが、ヴェイダーはそれを拒否し、彼をダークサイドへと誘惑する。そしてヴェイダーは息子の心を読み、双子の妹の存在に気づくのだった。ルークはレイアに危険が迫ることに激昂し、憎しみを込めてヴェイダーを打ち付ける。そしてついにヴェイダーを屈服させ、運命の戦いを制するのだった。パルパティーンは憎しみに目覚めたルークを新たなる弟子とすべく誘惑するが、彼はそれを敢然と拒否する。ルークはジェダイ・ナイトとして父の跡を継ぐと宣言したのだ。皇帝はルークの誘惑を断念し、彼をフォースの稲妻で抹殺しようとする。だが、親子の絆に目覚めたヴェイダーはパルパティーンを裏切り、邪悪なシス卿を滅ぼすのだった。こうしてフォースにバランスをもたらしたヴェイダーは、ジェダイ・ナイト、アナキン・スカイウォーカーとして息子の前で静かに息を引き取る。ルークは父の亡骸と共に第2デス・スターから脱出したのだった。
デス・スターの中心部に到達したランドとウェッジは主反応炉を破壊し、崩壊していく宇宙要塞からの脱出に成功する。デス・スターは再び爆破され、反乱同盟軍は劇的な勝利を手にしたのだった。また、パルパティーン皇帝のフォースによる戦いの調整が失われたことで、帝国軍艦隊は混乱状態に陥り、瞬く間に<エグゼキューター>を含む6隻のスター・デストロイヤーを失ってしまう。艦隊の指揮を受け継いだインペリアル級スター・デストロイヤー<キメラ>のペレオン艦長は、再起を図るべく全艦隊の撤退を命じていた。だが、その後の帝国軍はモフや大将軍たちのグループが互いに主導権を奪い合う内乱状態へと突入することになるのだった。一方で反乱同盟軍は新共和国の樹立を目指し、帝国残党の掃討作戦を開始することになる。