ルーク・スカイウォーカー
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解説
幼い頃に両親を失い、辺境の砂漠の惑星タトゥイーンで育った少年ルーク・スカイウォーカーは、自分の運命を知ることなく、叔父夫妻の経営する貧しい水分農場で退屈な日々を過ごしていた。彼のわずかな楽しみといえば、叔父に買ってもらったランドスピーダーを乗り回し、友人たちとT-16スカイホッパーでベガーズ渓谷を疾走するレースを行うことだけだった。
ルークは明るい金髪と輝く青い瞳をしたハンサムで健全な若者である。タトゥイーンの水分農場では標準的な白いチュニックを身に付け、腰には水分凝結機の修理道具を収容したユーティリティ・ベルトを巻いていた。宇宙への冒険に憧れるルークは、いつの日か帝国宇宙軍アカデミーに入学し、宇宙戦闘機のパイロットとなって銀河系を駆け巡ることを夢見ていたのである。しかし、叔父のオーウェン・ラーズは、タトゥイーンの小さな田舎町アンカーヘッドの近郊にある水分農場でルークの力を必要としており、毎年のように彼の進学を先送りし続けていた。彼の本当の生い立ちを知る叔母のベルーは、ルークが一生農夫のままでいるべきではないと考え、陰でオーウェンを説得した。また、先にアカデミーへ入学していた友人のビッグズ・ダークライターも、ルークの持つパイロットとしての天性の素質を認め、ルークと共に宇宙を冒険することを心待ちにしていた。事実、タトゥイーンを離れて帝国の圧政に苦しむ銀河の現状を見たビッグズは、ルークとの再会の折に反乱同盟軍と合流することを打ち明け、ルークにも参加を呼びかけていた。しかし、叔父は決して首を縦に振らず、やがてタトゥイーンを出て行った友人たちと会う機会も失われていくと、かつて抱いていた希望も現実味を失っていくのだった。
彼の人生の大きな分岐点は、ベン老人との出会いによって始まった。ルークはスカイホッパーが事故で墜落したとき、サンド・ピープルに襲われていたところをベンに救われたことがあった。実はベンは若き有望なパイロットであるルークの将来を見守るジェダイ・ナイトの生き残りだったのだが、当時のルークにとってそんなことは思いもよらないことだった。そして彼を真実から遠ざけようとしたオーウェンはベンを狂人扱いし、ルークの前から追い払っていたのである。しかし、オーウェンがジャワから購入した2体のドロイド、C-3POとR2-D2がルークを再びベン老人に引き合わせることになるのだった。タトゥイーンの軌道上における帝国軍の襲撃から脱出したR2は、かつてのクローン大戦の英雄であるジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービ、すなわちベン・ケノービへの重要なメッセージを託されていたのだ。
R2-D2に収められた反乱軍のリーダーの1人であるレイア姫のホログラム・メッセージは、このドロイドに入力された帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図を、オルデランで待つベイル・オーガナ総督のもとに届けて欲しいというものだった。このとき初めて、オビ=ワンはルークに真実を告げた。オーウェン叔父はルークの父親がスパイス密輸船のパイロットであり、クローン大戦中に死んだのだと説明していたが、それはルークの将来を案じるが故の嘘だったのだ。オビ=ワン曰く、ルークの父アナキン・スカイウォーカーは彼の弟子として修行を積んだ有望なジェダイ・ナイトだったのだという。しかし、同じくオビ=ワンの弟子だったダース・ヴェイダーという若いジェダイが共和国を裏切り、多くのジェダイを虐殺したのだった。このときアナキンもヴェイダーに殺されたというのだ。
オビ=ワンはルークに自分と共にオルデランへ行き、そして父の後を継ぐためにジェダイの訓練を積むべきだと説いた。ルークは次世代のジェダイ・オーダーを復興させるための新たなる希望なのだ。ルークは叔父夫妻の反対を懸念し、一度はオビ=ワンの申し出を断ったが、オーウェンとベルーがドロイドを捜索していた帝国軍に惨殺されていたことを知り、決心を新たにした。彼らはモス・アイズリー宇宙港で密輸船<ミレニアム・ファルコン>の船長ハン・ソロと副操縦士チューバッカに出会い、オルデランへと旅立っていった。そしてルークは旅の傍ら、オビ=ワンからフォースの使い方を伝授されたのである。しかし到着したのもつかの間、オルデランは帝国軍のデス・スターによって既に破壊されており、<ファルコン>もデス・スターのトラクター・ビームによって拿捕されてしまった。ルークらは捕らえられていたレイアの救出に成功したが、オビ=ワンはそこでかつての弟子ヴェイダーと因縁の対決を交えた。衰えたオビ=ワンはシス卿の前に成す術なく破れ、肉体を消滅させてしまったのだった。それでもオビ=ワンの魂はルークの心の中で生き続け、フォースを通じて彼に助言を与え続けたのである。そして、ヤヴィン4にある同盟軍秘密基地を飛び立ったルークは、見事デス・スターの破壊に成功したのだった。
3年後、デス・スターの破壊を生き延びたヴェイダーは、ヤヴィンで強いフォースを覚醒させた反乱軍パイロットの名がスカイウォーカーであることを突き止め、銀河系規模の捜索を行っていた。スカイウォーカーの末裔がジェダイとなることは、シスにとって最大の脅威だったのだ。ルークは反乱軍を氷の惑星ホスに導いたが、それも帝国軍の知るところとなり、後にホスの戦いと呼ばれる壮絶な地上戦の末、同盟軍は撤退を余儀なくされた。そこでルークはオビ=ワンの助言に従い、R2と共に単身でジェダイ・マスター、ヨーダが隠遁しているというダゴバへと向かった。一方で、ヴェイダーはルークを捕らえるためにクラウド・シティの執政官であるランド・カルリジアンを脅迫し、ハン、レイア、チューバッカらを罠にはめるのだった。
およそ800年にもわたって若いジェダイを訓練してきた小柄なジェダイ・マスター、ヨーダは、ルークを最後の弟子として訓練した。しかし、仲間の危機を感じ取ったルークは修行を終えぬままダゴバを発ち、ハンたちが捕らえられているクラウド・シティへと向かった。だが、ハンは既にカーボン冷凍にされており、タトゥイーンのジャバ・ザ・ハットの元へと運ばれていった。そして、ルークはついにヴェイダーとの対決を向かえることになった。ヴェイダーはルークを力で圧倒し、絶望的状況にまで追い詰めると、自分こそがルークの父親であるという衝撃の事実を語ったのだった。ヴェイダーは息子を仲間に引き込み、やがてはパルパティーン皇帝を倒して親子で銀河系に君臨しようと目論んでいたのである。しかし、激しく動揺するルークは誘いを拒否し、自らクラウド・シティの奈落の底へと身を投じた。それを救ったのはルークの心の叫びに共鳴したレイアだった。
その1年後、ジャバ・ザ・ハットの犯罪組織を壊滅させ、ソロを救出したルークは再びヨーダを尋ね、修行の再開を求めた。しかし、力を付けたルークにヨーダが教えるべきことは残っておらず、ヴェイダーを倒したとき、彼はジェダイとして認められることになるのだ。このとき、ヴェイダーの言葉に悩み続けてルークはヨーダに真相を問い詰め、それが真実だったことを知った。その直後、病に苦しむヨーダは息絶え、再び姿をあらわしたオビ=ワンはルークと彼の双子の妹であるもう1人のスカイウォーカーこそが銀河系に残された最後の希望なのだと告げた。ルークは妹がレイアであることを直感で見抜き、父をダークサイドから救い出す決心を抱くのだった。
そのころ、エンドアの軌道上で建造中の第2デス・スターを攻撃するため、同盟軍艦隊が集結しつつあった。同盟軍は既に皇帝が自ら視察のために第2デス・スターを訪れているという情報を入手し、これが銀河内乱における最後の戦いになると考えていた。ルークはシールド発生装置を破壊すべくハン、レイア、チューバッカらと共にエンドアに潜入したが、ヴェイダーと会うために自ら帝国軍に投降したのだった。そしてヴェイダーはルークを従え、パルパティーンの玉座の間へと帰還した。2人は皇帝の前で再びライトセイバーを交え、激しい戦いを繰り広げた。外の戦いはデス・スターのスーパーレーザーによって同盟軍が劣勢に立たされており、仲間の身を案じるルークも不安と動揺を隠し切れなかった。ヴェイダーは戦いを避け物陰に隠れたルークの心を読み、娘の存在を知ることになった。レイアに危険が及ぶことに激怒したルークは激しい攻撃に転じ、ついにヴェイダーを屈服させるのだった。このとき彼が完全にダークサイドに落ちたと確信した皇帝は、ルークを従えようとしたが、怒りの感情を制御したルークは皇帝の誘惑を敢然と拒否した。彼はついに真のジェダイとなったのだ。
しかし、パルパティーンにとって、これはたいした問題ではなかった。ダークサイドを拒むのなら殺せばいいのだ。皇帝はフォースの稲妻でルークの抹殺を開始したが、ここで彼にとって最大の誤算が生じることになった。息子の悲痛な叫びに呼応したヴェイダーがダークサイドからの帰還を果たし、自らの命を捨てて皇帝に立ち向かったのである。ヴェイダーはこれまでの師を第2デス・スターの反応炉に突き落とし、ルークと共に銀河系をダークサイドから救ったのだ。このときスカイウォーカー親子は初めて素顔の対面を果たしたが、同時にそれは最後の対面になるのだった。
やがて帝国は名実共に崩壊し、新共和国の樹立が宣言された。ルークはヤヴィン4に悲願のジェダイ・アカデミーを設立し、ジェダイ候補生たちの育成に努めていた。ソロとレイアの子供たちも加わり、数々の危機を迎えながらも次世代のジェダイ・オーダーは着実に成長し続けていた。